2018年3月議会一般質問-菊名裕

1契約 

1.公共工事契約に伴う遵守事項について

 ア.工期

  ①期間設定

  ②実施状況

  ③契約

2税収 

1.ふるさと納税

 ア.実施後の当市における税収変化ほか

 イ.返礼品の現状


△菊名裕議員

○議長(中野照夫議員) 通告第15、23番、菊名裕議員。
〔23番 菊名 裕議員 登壇〕

◆23番(菊名裕議員) おはようございます。
一昨日の雪には驚きましたが、市役所の桜もほころび、3月議会も本日が最終日になりました。最後の質問になります。しばしの間、おつき合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を始めます。
先月の「広報みさと」に、暮らしを支える下水道として公共下水推進事業の特集がされておりました。下水道の必要性と整備促進状況を公に知らせることは大切なことであり、下水道の仕組みや必要性、終末処理場の概要、また維持管理をしている中川水循環センターの職員さん、また当市の担当課長のインタビューなど、下水道整備の促進や施設の必要性がわかりやすく掲載されておりました。
今議会冒頭、市長の施政方針でも、安全で快適な生活環境を維持するための整備を引き続き進めるとあり、今定例会議案第30号 平成30年度三郷市公共下水道事業特別会計予算でも、一般財源より整備への繰出金14億円が議決されました。当市の価値を担保するためにも、大切な事業である下水道促進事業、平成37年度末までに市街化全域の整備を目途にしっかりと進めていただければと思います。
さて、本題に移ります。
議会初日の議案説明にて、繰越明許費9億814万円が長本部長から説明されました。これは今年度契約した下水道工事がいまだに完了しておらず、当初予算12億5,000万円中、約8割の工事契約が不履行になっていることをあらわしております。
詳細については後ほどご答弁いただけると思いますが、このような状態は、過去10年以上にわたり続いております。ちなみに、過去5年間の繰越金をお知らせいたしますと、平成25年3億3,000万円、平成26年8億4,000万円、平成27年6億9,000万円、平成28年7億3,000万円、平成29年、先ほど申し上げた12億5,000万円のうち9億800万円であり、年々増加傾向にあります。
今議会で採決された議案第4号は、工期を延長するための議案でした。当市の規定により、1億5,000万円を超える公共工事においては、契約の締結、工事の延期などの場合において議会承認が必要です。先ほど申し上げた繰越明許の金額は、全てそれ以上です。
複数工事合算のため、単体では議案にはされておりませんが、非常に大きな予算が毎年同じような状況で繰り越されていることは、思慮しなければならない問題ではないでしょうか。当初予算が着実に執行されれば、当市の下水道普及率は予定どおりに向上し、当然、次年度の工事のために、担当職員は新年度工事の準備に取りかかれるはずです。
現状では多くの工事が先送りされており、延期された工事と今年度予定の工事を並行して進めることは困難であり、着手時期のおくれは自明であります。また、工事の平準化においても、現場を回ってみますといまだ至っていないように見受けられます。
それでは、市長に伺います。
このような状態に対し、市民感覚と経営感覚を大切にする視点からどのようなお考えをお持ちでしょうか。お伺いいたします。
建設部長には、契約工期はどのように決定しているのか。また発注時期の設定と実施状況をお伺いしたいと思います。
財務部長には、どのような審査の上で契約を交わしているのかお伺いいたします。
次に、ふるさと納税について伺います。
ふるさと納税は、希望する人が自分で選んだ自治体に寄附を行う制度であります。寄附金控除の対象になるため、寄附金の2,000円を超える部分は税金の控除という形でキャッシュバックとして戻ってきます。そして、全国でふるさと納税返礼品事業が活発に行われております。実質負担2,000円でさまざまな地域の特産品を楽しむことができ、自治体や事業者にとって有意義なものとなっております。
しかし一方、地域住民が他市町村への寄附をすることにより、地元の自治体収入が減る事態が起きております。世田谷区では約16億円の減収とのことであり、行政運営にも大きな影響を及ぼすのではないかと、人ごとながら心配になります。
また、返礼品事業者の活性化は十分理解できますが、全国的に見て少し異常とも思えるような自治体の返礼品競争が起こっており、納税が主なのか、返礼品選びが主なのか、わからなくなってきており、まるでネットショッピングをしているかのようであります。
質問に移ります。
ワンストップ特例以降で結構です。納税額、これは寄附額の変化と、本来収入となる住民税の減収分の推移を財務部長にお尋ねいたします。
次に、三郷市はこの自治体間返礼品競争には参加していないと思いますが、当市における返礼品の現状について、また選考基準などがあれば教えていただきたいと思います。産業振興部長にお伺いいたします。
以上で初めの質問を終わります。

○議長(中野照夫議員) 菊名裕議員の質問に対する答弁を求めます。
木津雅晟市長。
〔木津雅晟市長 登壇〕

◎市長(木津雅晟) 菊名議員のご質問にお答えいたします。
1、契約の1、公共工事契約に伴う遵守事項についての総論についてお答えし、詳細については担当部長をして答弁いたさせます。
下水道工事を含む公共工事の執行につきましては、公共工事の入札及び契約の適正化の推進に関する法律などの関係法令に基づき適切に執行することが必要であると認識をしております。
また、執行に当たりましては、まちづくりの担い手でもあり、災害時等には地域を支える役割を持つ地元企業の育成に配慮し、工事発注の平準化にも意を用いながら適切な執行に努めてまいります。

○議長(中野照夫議員) 石出弘財務部長。
〔石出 弘財務部長 登壇〕

◎財務部長(石出弘) 順次お答えいたします。
初めに、1、契約の1、公共工事契約に伴う遵守事項についてのア、工期の③、契約についてでございますが、市が締結する契約につきましては、現在、年間1,600件以上の案件がございます。その中で契約に係る審査といたしましては、契約に至るまでの決裁が正しく行われているか。入札や見積もり合わせなど契約相手決定の経緯が適正であるか。また、契約相手となる事業者が入札参加登録の内容と一致しているのかなど確認を行っているところでございます。
議員ご指摘の工事の繰り越しが多い件に関しましては、契約担当部署といたしましても十分認識をしているところでございます。今後につきましては、建設工事に係る発注見通しの取りまとめをしている関係から、各種工事が発注見通しどおりに沿って履行されているか、進捗管理に努めてまいりたいと存じます。
次に、2、税収の1、ふるさと納税のうち、ア、実施後の当市における税収変化ほかについてお答えいたします。
初めに、ふるさと納税による当市への寄附金額ですが、平成27年度187万円、平成28年度336万円でございます。これに対しまして、ふるさと納税における市民税控除額、いわゆる他の自治体に寄附をされた額でございますが、平成28年度約5,000万円、平成29年度約9,200万円となっております。
以上のように、当市におけるふるさと納税につきましては、寄附金額よりも、他の自治体に寄附をされた額のほうが大きく上回っている状況でございます。
このような状況は、首都圏の自治体に多く見られるものでございますが、貴重な市税の流出にもつながることから、市といたしましても、当市に対する応援の輪が全国に広がるよう、いろいろと対策を講じておるところでございまして、平成27年9月からはお礼品の贈呈を開始し、平成28年6月からはふるさと納税ポータルサイト、いわゆるふるさとチョイスでの寄附受け付けを開始するとともに、インターネットでのクレジット決済ができるよう納付環境の充実に努めてまいったところでございます。
また、寄附金を通して三郷市のまちづくりに参加していただけるよう、寄附金の使途につきましても、ふるさとの緑と水辺再生事業、安心・安全のまちづくり事業、にぎわい・ふれあい事業、ギリシャ共和国ホストタウン推進事業の4つの事業を明示するとともに、それ以外でも寄附をされる方が使途を指定してできるように寄附をしていただいておるところでございます。
今後におきましても、より多くの方に寄附をしていただけるよう、またふるさと納税のみならず、寄附者が応援したくなるような魅力的な政策や事業に寄附を募るクラウドファンディングなどの活用につきましても研究をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。

○議長(中野照夫議員) 長本俊也建設部長。
〔長本俊也建設部長 登壇〕

◎建設部長(長本俊也) 私からは、1、契約の1、公共工事契約に伴う遵守事項について、ア、工期の①、期間設定と、②、実施状況について、関連がございますので一括してお答えいたします。
下水道工事につきましては、通常の設計において土木工事標準積算基準書や下水道用設計標準歩掛表などにより施工に必要な標準日数が定められており、これにより積算されたものを当該工事に必要な工事期間として設定しているものでございます。
また、実施状況につきまして、平成29年度の工事発注件数は、国庫補助事業が16件、市単独事業が3件の合計19件でございます。下水道工事においては、工事予定箇所における道路状況などを勘案し、整備内容や工法を検討し実施設計を行っており、国庫補助金の交付状況も踏まえ工事発注の平準化を考慮しながら発注を行っております。
なお、発注時期につきましては、7月が2件、8月が3件、9月が7件、12月が2件、本年1月が2件、2月が2件、3月が1件となってございます。そのうち平成29年度の国庫補助事業16件につきましては、国庫補助事業が例年に比べて大幅に増額されたため、工事発注件数が増加したこと、また地元関係地権者との協議調整に時間を要したことなどから、平成30年度への繰り越し工事となってございますが、国の財政当局への協議を実施しており、承認をいただいております。
今後も関係機関などの協議をより密にし、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律などの関係法令を踏まえ、引き続き分離発注などにより契約時期の平準化を図るとともに、適正な工事発注に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。

○議長(中野照夫議員) 石井富貴和産業振興部長。
〔石井富貴和産業振興部長 登壇〕

◎産業振興部長(石井富貴和) 2、税収、1、ふるさと納税、イ、返礼品の現状につきましてお答えいたします。
初めに、直近3か年の返礼品の状況を申し上げますと、平成27年度は返礼品の種類が計12品目、発送件数は延べ73件、次に、平成28年度は種類が同じく計12品目、発送件数は延べ134件、次に、平成29年度は、平成30年2月28日現在の数字でございますが、種類が計34品目、発送件数は延べ209件となってございます。
また、一番人気の返礼品でございますが、平成27年度は「におどり純米原酒」、平成28年度は三郷産蜂蜜、平成29年度はギリシャクレタ島オリーブオイルとなってございます。
なお、どういった考えに基づき返礼品を選んでいるのかについてでございますが、三郷市の魅力、特徴をPRできるものを中心としつつ、長野県安曇野市や奈良県三郷町の友好都市関連のもの、ギリシャ関連のものなども念頭に置き、返礼品の品目を選定いたしてございます。また、平成30年度におきましても何点かの新しい品目を追加する予定となってございます。
さて、規模、件数といった問題もございますが、この返礼品事業は、ご協力いただいております事業者の方はもとより、市にとりましてもPRや産業の活性化などにつながるものと期待してございます。今後とも、ふるさと納税返礼品事業を通じ、三郷市の農業、商業、工業のPRや産業振興を図ってまいります。
以上でございます。

○議長(中野照夫議員) 菊名裕議員。

◆23番(菊名裕議員) それぞれ答弁ありがとうございました。それでは、再質問させていただきます。
前後しますが、最初にふるさと納税から。
平成27年度、東京都では252億円が、そして埼玉県、千葉県、神奈川県も同様に流出が流入を上回っており、住民税による税収は減少しております。書籍等でも多く示されておりますが、ふるさと納税は、自治体は運営するものだという従来の概念から、経営に変換するものだと説いております。今後、三郷市もイノベーション能力やマネジメント能力を磨いて、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。これは要望といたします。
次に、下水です。
今回質問させていただいた問題は、三郷市が契約した工事が当初契約どおりに履行されていない、履行されないと認識があるにもかかわらず、長年にわたり継続されてきたと。この問題に対し、これまで疑問を持ち、改善しようとする人がいなかったことが問題ではないかと私は考えます。先ほど申し上げた過去5年間の繰り越し金額が年を追うごとに大きくなっていることも、それをあらわしているのではないでしょうか。
事務的には必要な手続を行っており、法的には問題はないにせよ、事業の見直しは絶えず行われるべきであり、もっと早く是正されなければならなかったはずであると思います。根幹を考え直す必要を強く感じます。
本来であれば、このような状態に至ることを是正するため、自浄作用を促すための行政運営の政策を三郷市は導入しております。問題に対し、みずから積極的に取り組んでいく人材を育成する人事考課制度、また、事業を検証し問題を浮かび上がらせ継続的改善を促す事務事業評価をツールとしてお持ちのはずです。
市長にお伺いいたします。
契約に伴う遵守事項を事務事業評価に載せるよう関連各課にご指導いただけないでしょうか。お伺いしたいと思います。
次に、財務部長にお尋ねいたします。
先ほど認識という言葉を答弁の中で使っておりましたが、何に対して認識があるのか、最初の質問でうまく伝わらなかったのかもしれないですけれども、建設部長の答弁で、近々では3月の契約の工事があったという話ですが、下水道工事全て単年度予算であります。3月31日が当初工事の工事期間の末になるんですね。契約する段階で、下水道工事のメーター数、また金額が契約書にも明示されているはずであります。その数値をもとに工期というものが、ある程度はご理解いただけると思うんですけれども、3月の契約がどれぐらいの工事だったか私は存じ上げませんが、その矛盾に対していかがかという質問を1問目にさせていただいたつもりであります。今の質問に対してご答弁をお願いいたします。
続いて、建設部長にであります。
1つ目は、今年度繰り越される工事で最後に竣工されるものはいつかで、その工事金額を教えていただきたいと思います。
そして、ご答弁では関連機関との施工調整などが挙げられましたが、この施工調整に至るまでに多岐にわたる要因があると思われます。技師の端くれとして幾つか挙げさせていただきたいと思います。
まずは、現在、設計業務、施工業務はアウトソーシングされておりまして、担当職員のスキルを上げることが現場では非常に困難になっていると思われます。
次に人材ですが、年々技師の採用数が減っている近年、工事の本数がふえ、発注手続が複雑化する中で職員の技術力や経験値はより一層求められております。現在、下水道課は課長を含め6名と聞いております。以前私が工事に携わっていたころは、10名を超える職員が深夜に及び仕事をされていたことを記憶しております。
人材のほかにも現場の条件はさまざまであり、多くの要因が考えられ、ご答弁で早期の工事発注に努めるとありましたが、一朝一夕に改善できるものではないのではないでしょうか。
下水道課が単独で全てを改善することができれば問題はないと思います。人材教育の強化、担当職員の増員、機構改革、また債務負担行為など課を超えての対応が必要になった場合、関連部署に根拠を示す必要があります。事務事業評価にて客観的に問題を提起すれば非常に説得力があると思いますが、いかがでしょうか。
最後に、今年度もあと1週間余りとなりました。次年度の人事体制も整いつつあると思います。建設部が問題解決に向け、真摯に取り組んでいただける答弁を期待し、再質問を終了いたします。

○議長(中野照夫議員) 菊名裕議員の2問目に対する答弁を求めます。
木津雅晟市長。
〔木津雅晟市長 登壇〕

◎市長(木津雅晟) 再度のご質問にお答えいたします。
事務事業評価に契約遵守事項を載せるべきではないかというご質問でございます。
契約遵守事項が事務事業評価になじむかどうか、議論のあるところであると考えますが、今後も関連法令に基づき、公共下水道整備についてはさらなる促進が図られるよう適切な工事発注に努めてまいりたいと存じます。

○議長(中野照夫議員) 石出弘財務部長。
〔石出 弘財務部長 登壇〕

◎財務部長(石出弘) 再度の質問にお答えいたします。
3月発注工事についてどのように考えているかということでございますが、1問目でも申し上げましたとおり、契約担当部署といたしましては、審査の内容が契約に至るまでの決裁が正しく行われているか、契約相手の決定が正しいか、入札参加登録の内容と一致しているかなど全て審査をして確認をしているところでございます。
しかしながら、発注見通しをまとめております関係上、その履行に関しましては、進捗管理に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○議長(中野照夫議員) 長本俊也建設部長。
〔長本俊也建設部長 登壇〕

◎建設部長(長本俊也) 菊名議員の再度のご質問にお答えいたします。
初めに、職員の育成と事務事業の関連でございますが、今後、下水道工事の設計に係る技術や現場経験で得られた技術などを次世代の職員に継承できるよう、経験年数に応じた各種研修会への参加などさらなる技術力の向上に努めるとともに、事務事業評価などによる進捗管理のほか、各関係機関との事前調整や設計及び施工管理を含めた総合的なマネジメントの実施により、適正な工程管理に努め、工事の平準化を図りながら引き続き下水道整備を邁進してまいりたいと存じます。
次に、繰り越し工事の最後の竣工日ですが、8月31日でございます。
金額につきましては、1億260万円でございます。
以上でございます。

○議長(中野照夫議員) 以上で菊名裕議員の質問を終わります。
以上で市政に対する一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。

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