2021年3月議会一般質問議会-渡邉雅人

1教育問題
1.教育・子育て費用について
ア.幼児教育・保育の無償化の影響について
イ.今後の展開について

2子育て施策
1.子ども食堂について
ア.来てほしい人や家庭の参加
イ.資金の確保
ウ.会場の確保
エ.地域との連携

◆6番(渡邉雅人議員) おはようございます。それでは、通告に従いまして順次質問をしてまいります。
初めに、教育・子育て費用についてです。
皆様ご承知のとおり、令和元年10月から国の施策として幼稚園、保育所、認定こども園などを利用している3歳児から5歳児、そして住民税非課税世帯のゼロ歳児から2歳児を対象とした幼児教育・保育の無償化がスタートいたしました。
さらに、本市においては、幼稚園類似施設に当たる幼児教室も独自にこの対象とするなど、教育環境の充実にご尽力をいただいておりますことに感謝を申し上げます。
子どもたちの教育環境を充実させていくことは、年々深刻化している少子化問題に対する解決策の一助となることが期待されるものであり、特に、教育や子育ての金銭的負担を軽減することは効果的な策であると考えております。
内閣府が5年ごとに行っている「少子化社会に関する国際意識調査」の平成27年度版によりますと、現在、子どもがいるかたの中で、希望している人数よりもまだ子どもが少ないというかたに対して、「今後、子どもを増やしたいと思うか」という質問をしたところ、「希望する人数までは増やさない」または「増やせない」と答えたかたが49.7%に上ったそうです。
この結果は、平成22年度、平成17年度の結果からは徐々に改善をしているものの、統計結果が比較されていたフランス、スウェーデン、イギリスがそれぞれ34.6%、29.4%、18.9%だったことと比べると、大きな開きがある状態となっております。
また、この「増やさない」または「増やせない」という回答をした方々に、その理由についてを「保育サービスが整っていないから」や「働きながら子育てができる職場環境がないから」「健康上の理由から」などの18項目から複数回答可という条件で質問をしたところ、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」と回答したかたが、実に50%と最も多く、2番目に多かった「自分または配偶者が高年齢で、産むのが嫌だから」の32.1%とも大きく差がついた結果となっております。
この結果からは、待機児童の解消を目指した施設整備や子育てに悩む保護者のかたに対する相談体制の構築をはじめとした各種施策が、それぞれ重要であることはもちろんではございますが、最も求められている少子化対策が、教育や子育ての金銭的負担を軽減することであるということがよく分かります。
本市では近年、合計特殊出生率が上昇傾向にあり、平成26年以降は埼玉県平均を上回っている状態ではございますが、全国平均との比較では、平成27年を除くと下回り続けており、より積極的に少子化対策に注力をしていくべきであると考えます。
そこで、今回は少子化対策という観点から2点お伺いいたします。
まず、アの幼児教育・保育の無償化の影響についてです。
幼児教育・保育の無償化がスタートし、1年半がたち、その影響が徐々に現れ出す時期となったかと思います。この間、無償化の対象となったご家庭や、無償化となったことで幼稚園、保育所、認定こども園といった幼児教育・保育施設の利用を新たに検討された方々、そして、そうした施設を運営されている方々など、様々なかたからご意見があったことと思います。
一般的に考えられる点としては、無償化されることにより、利用希望者が増えるため、待機児童対策を一層推進していくべきといった声が高まるといったことなどが想定されますが、実際に寄せられた声を基に無償化に対するメリットやデメリット、また、新たに取り組むべき課題等についてご見解をお伺いいたします。
次に、イの今後の展開についてです。
先ほども内閣府の調査を基に申し上げたとおり、本来はもう1人、2人と子どもをもうけ、育てていきたいと希望している子育て世代の方々にとって、最も大きな障害となっているのが、子育てや教育にお金がかかり過ぎるという点でございます。
この点に着目し、先般の国の主導による幼児教育・保育の無償化にとどまらず、教育や子育ての金銭的負担の軽減を目指した取組を進め、合計特殊出生率の増加や、子育て世代を中心とした転入者の大幅な増加に成功されている例を2例ほどご紹介させていただきます。
1例目は、兵庫県明石市です。明石市では現市長が就任した2011年以降、「こどもを核としたまちづくり」をビジョンに掲げ、就任直前である2010年度と比べて、2020年度には子ども部門への職員数を約3倍、予算は約2倍と積極的な教育・子育て支援を進め続けておられます。
その間、様々な施策を実行されてきておるわけですが、その中でも目玉となっているのが、市独自で行われている5つの無料化です。この5つとは、第2子以降の保育料、市立中学校の給食費、公共施設の入場料、月齢3か月から1歳までの間のおむつやお尻拭きといった子育て用品3,000円分掛ける10か月、中学3年生までの子どもの医療費のことで、いずれも所得制限なしに実施がなされております。また、子どもの医療費については、本年7月には対象を高校3年生まで拡大予定とのことです。
この5つの無料化を目玉とした施策を次々に実行してきた結果、明石市の合計特殊出生率は上昇を続け、2018年には1.70と、国や県平均を大きく上回っておられます。
そして2例目は、大阪府大阪市です。大阪市では「子育て・教育への重点投資」を掲げ、2011年度との比較において、2020年度には子育て・教育に関する予算を8倍にまで増加させ、国の施策に先駆けて幼児教育の無償化を実現するなど、様々な施策を実現されてきました。
中でも、特色のある事業として今回ご紹介するのが、塾代助成事業です。この事業では、市内在住の中学生を対象として、一定の所得要件の下、月額1万円を上限とした助成を受けることが可能になっております。
また、塾代とは言っても、この事業で助成を受けられる対象は幅広く、ピアノ教室や絵画教室、少年野球やスイミングスクールといった文化・スポーツに関する学校外教育にも利用が可能です。
また、助成方法にも工夫がなされており、現金給付ではなく塾代助成カードというカードにより支払いを行うバウチャー制度での給付がなされております。このことにより、子どもの教育を目的として助成を行ったにも関わらず、現金を管理している保護者がパチンコなどの遊興費に使ってしまうといった事態を防ぐ効果が期待されるとのことでございました。
こうした取組を次々と進めてきた結果、近畿2府4県、全体では転出超過という状況が続くにも関わらず、大阪市は転入超過数が2015年から2019年は5年連続で全国2位、2020年には東京23区をも上回り、全国1位となっております。
特に、子育て世代の転入者数の増加は著しく、2018年は20歳から29歳の転入超過数が約2万人にも上り、今後は転入者による社会増のみでなく、出生数の増加による自然増にも期待を持てる状況にあるようです。
こうした例からも、教育や子育てへの金銭的負担を軽減することは机上の空論ではなく、実際に少子化対策へと大きく寄与し、ゆくゆくはまち全体の発展へとつながっていくことが期待できるということがよく分かります。
そこで、本市においても現状に満足することなく、明石市や大阪市の事例、そしてその他先進自治体の例を参考として、教育・子育て費用の負担を軽減していく施策を積極的に打ち出すべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
次に、子ども食堂についてです。
子ども食堂は、子どもの貧困対策や地域交流の拠点などを目的に、地域住民のコミュニティとして幅広い年齢層の人を受入れながら、経済的理由や家庭の事情によって栄養のある食事を取ることができない子どもたちに支援をなさっております。
こうした活動は、近年、全国的に広がりを見せており、NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によりますと、2018年時点では全国に2,286か所、2019年は3,718か所、2020年は4,960か所と増加を続けており、本市においては子どもの居場所のうち、子どもに食事を提供しているところを子ども食堂と定義した場合、2020年10月1日時点で8か所の子ども食堂が運営されていることが、市ホームページにおいて紹介されております。
一方で、必要十分なだけの子ども食堂が現存しているかという視点で見ると、まだ道半ばというのが現状のようでございます。
埼玉県が事務局であるこども応援ネットワーク埼玉のホームページでは、子どもたちが歩いていける距離に子どもの居場所があることが望ましいとの考えから、子ども食堂をはじめとした子どもの居場所について、県内の小学校数に合わせて800か所を目標とするということが記されております。
先ほどご紹介したむすびえでは、対象を子ども食堂のみに絞った上でとはなりますが、ほぼ同様の基準でこの箇所数について充足率を調査されており、その結果によると、2020年時点では814校という小学校数に対して、子ども食堂は257か所と、充足率は31.57%にとどまっているとのことでございました。
本市も19校という小学校数に対して、先ほどご紹介したように子ども食堂が8か所、それ以外の子どもの居場所を加えても9か所と、県全体の充足率は上回っているものの、さらなる充足のために、市としてもより一層注力をしていくべきであると考えます。
そして、こうした課題を解決していく上で参考となるであろう資料として、平成30年3月に農林水産省が発表した「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」という資料がございます。
この資料は、タイトルのとおり、食育活動に主眼が置かれているものの、子ども食堂の運営実態や実際に開設・運営していくに当たっての問題・課題についても詳細に調査がなされた内容となっております。
資料の中では、アンケート結果を基に子ども食堂を開設・運営していくに当たっての主要課題を、来てほしい人や家庭の参加、資金の確保、スタッフの負担・スタッフの確保、地域との連携、リスク管理、会場の確保の6つであるとし、それぞれの課題についての実際に現場で活動なさっているかたの声や取組事例などが紹介されております。
本市においては、子どもの居場所づくりセミナーの開催や市ホームページ上で各種保険や助成金の紹介を行うなど、こうした課題について一定ご尽力をいただいておるところではございますが、他市の取組や実際に市内の子ども食堂で活動なさっている方々の声から、さらなる改善に向けて参考となるものを抽出し、今回はこの6つの主要課題のうち4点について伺ってまいります。
まず、アの来てほしい人や家庭の参加についてです。
農林水産省資料によりますと、来てほしい家庭の子どもや親に来てもらうことが難しいという子ども食堂は40%以上に上ったそうです。また、活動目的として、90%近くの子ども食堂が生活困窮家庭の子どもの居場所づくりを意識している一方で、参加対象者を生活困窮家庭の子どもに絞っている事例は少数とのことで、この要因としては、多くの子ども食堂が生活困窮家庭の子どもを意識しながらも、幅広く参加対象を募ることで、そういった子どもたちが参加しやすい環境を整えていると考えられるとされております。
本市においても、大人だけの利用も可能としている子ども食堂が多く、実際に活動しているかたのお話を伺ったところ、そうした理由に加えて、より広く口コミが広がることにより、子ども食堂の存在や活動を知っていただくことを期待しているとのことでございました。
この課題に対する取組事例についても資料では紹介されており、その中では、保育所や幼稚園、放課後児童クラブ、小・中学校などから参加者募集の協力を得て解決を目指している子ども食堂が多いようです。
そこで、本市としても子ども食堂とこうした子育て世帯が多く関わる各種施設や団体との橋渡し役となることを目指すのはもちろんのこと、より積極的な働きかけとして、例えば、こんにちは赤ちゃん事業における家庭訪問時や、未就園児に対して行っている家庭訪問時にチラシなどをお渡しして、子ども食堂をはじめとした子どもの居場所を紹介するといった取組を行ってはいかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。
次に、イの資金の確保についてですが、農林水産省資料によると、この課題を解決するため7割近くの子ども食堂が社会福祉協議会、民間、市区町村等の各種助成制度を活用しているとのことでございました。
本市で活動されている子ども食堂の方々も、先ほどご紹介したむすびえや浦和競馬こども基金、カゴメみらいやさい財団、コープみらいなどの各種助成金を活用なさっておられます。
しかしながら、本市独自の助成金となると、昨年新型コロナウイルス感染症への対策費としてのものはあったものの、継続的な活動に対してとなると、残念ながら行えていないのが現状でございます。
新型コロナウイルス感染症の影響等により、さきの本会議でもご説明があったように、令和3年度予算において市民税が個人・法人ともに昨年よりも減少するなど、厳しい財政状況の中、新たな助成制度を創設するということは非常に厳しい面もあるかと思います。
そこで、この課題を解決していくための参考として、こちらの質問においても兵庫県明石市の取組をご紹介いたします。
明石市では平成17年4月に明石市こども基金が創設され、この基金は民間団体・個人からの寄付金を基にして運用がなされております。
その活用方法としては、市民や団体が自主的、主体的に行う学習支援などの子育て支援活動や児童健全育成活動に要する経費の一部助成がなされ、平成30年5月には一般財団法人あかしこども財団が設立され、この事業を市から引き継いで実施されております。
この財団は、明石市からの業務委託によりこどもの居場所づくり事業を実施しており、こども食堂を開設する団体に対し、開催1回につき2万円の運営助成や備品購入などに係る特別助成、マニュアルの提供による開設までに必要な一連の手続の支援などを行っております。
また、こども食堂を全28小学校区へ展開することを平成28年に目標として設定し、設置支援を進めてきたところ、平成30年11月時点で38か所のこども食堂が設立され、目標の達成に至ったということでございます。
そこで、こうした取組を参考とし、本市においても子ども食堂をはじめとした子育て支援活動や児童健全育成活動に資する取組への支援を目的とした基金を創設することについて、ご見解をお伺いいたします。
次に、ウの会場の確保についてです。
農林水産省資料のアンケート結果によると、子ども食堂の開催場所として運営団体自身が所有している施設で開催している団体は27.7%にとどまり、実に7割以上の団体が、会場の確保のため行政や他団体等の協力を得ているとのことでございます。
また、立ち上げ時に会場の確保についてが課題であったとの回答は、運営に当たっての課題の約2倍あったそうで、子ども食堂の開設を検討している方々にとって会場の確保が1つの大きな壁となっていることが分かります。
そして、より細かく調査結果を確認したときに興味深かったのは、他団体が所有している施設を利用している方々の中で、空き家を会場としているという回答が上位に位置しているということです。
「本市では、現在、空き家について令和4年に計画期間満了となる三郷市空家等対策計画の改定に向けて、今年度より市内全域を対象とし、業務委託による現地調査を含む空き家の実態調査に着手したところである。また、空き家の利活用の促進も含めた空き家対策について、先進事例を調査していく」といったご答弁が、昨年12月の加藤英泉議員の質問に対してございました。
私が少し調べた範囲だけでも、草加市においては、草加市社会福祉協議会が空き家を借り上げて、「さかえーる」という名称で地域交流の場を開設し、今後、子どもの居場所づくりに興味があるかたとの連携を深めていこうとしている例などがございます。
ぜひこうした事例を参考にしていただき、今後の空き家活用の在り方の1つとして、子ども食堂を開設、運営なさっている方々との連携につなげていただければと思います。この点についてもご見解をお聞かせください。
次に、エの地域との連携についてですが、農林水産省資料のアンケート結果によると、「地域住民の協力が得られない」という回答に比べ、「行政の協力が得られない」または「学校、教育委員会の協力が得られない」といった回答が約4倍にも上り、今後いかに行政と子ども食堂を実施されている皆様との連携を深めていけるかが大きな課題であることが、このことから分かります。
広く捉えれば、今回、お伺いする内容全てが行政との連携ということにはなりますが、裏を返せば、それだけ行政が支援できる内容が多岐にわたるということでもあります。
そこで、今後の本市で活動なさっている子ども食堂への支援、そして子どもの居場所を拡充していくに当たっての展望をお聞かせください。
以上で1問目を終わります。

○議長(菊名裕議員) 渡邉雅人議員の質問に対する答弁を求めます。
大石京子子ども未来部長。
〔大石京子子ども未来部長 登壇〕

◎子ども未来部長(大石京子) 私からは、1、教育問題と2、子育て施策につきまして、順次お答えいたします。
初めに、1、教育問題、1、教育・子育て費用についてのア、幼児教育・保育の無償化の影響についてでございますが、幼児教育・保育の無償化は令和元年10月に導入され、今月で1年半が経過するところでございます。
幼児教育・保育の無償化により、3歳児から5歳児の全ての子どもと住民税非課税世帯のゼロ歳児から2歳児の子どもの利用料が無償化されたことにより、保護者の経済的な負担軽減がなされたことはメリットの1つと考えております。
一方、一時預かり保育の利用希望が増加し、三郷市保育サービスアンケートにおいて、「これまで定員制でなかった園での預かり保育が、申込者が増加したことにより定員制となってしまい、利用しづらくなった」とのご意見が寄せられており、課題と考えております。
当初、無償化により大幅な増加が懸念されておりました本市における認可保育施設の申込み人数の推移は、令和元年度は906名、無償化後の令和2年度は947名と41名の増となりましたが、無償化の対象外である1歳児の申込みが増えていることから、無償化が申込み者数に影響を及ぼしたかということについては、正確に評価することは難しいところでございます。
イ、今後の展開についてでございますが、少子化対策としての教育・子育て費用の負担軽減につきましては、他の子育て施策や市の施策との整合性を踏まえ、調査研究してまいります。今後も引き続き、保育サービスの充実と子育て施策の充実に努めてまいります。
次に、2、子育て施策、1、子ども食堂についてのア、来てほしい人や家庭の参加、イ、資金の確保、エ、地域との連携につきまして、順次お答えいたします。
初めに、ア、来てほしい人や家庭の参加でございますが、子ども食堂を含む子どもの居場所における活動内容や開催日時等につきましては、運営団体のフェイスブック等により発信されるほか、市のホームページやにこにこ子育て応援ガイド、また、児童扶養手当受給者への通知の中で案内するなどし、周知に努めているところでございます。
子どもの居場所につきましては、生活困窮家庭だけでなく、幅広く参加いただける環境を整えることで、必要としているかたの参加につながるものと考え、推進しているところでございます。
今後も必要なかたに情報が届くよう、議員からございましたこんにちは赤ちゃん事業や未就園児家庭訪問事業の機会を利用するなど、関係部署と連携を図りながら周知に努めてまいります。
次に、イ、資金の確保でございますが、現在、本市では埼玉県が事務局をしておりますこども応援ネットワーク埼玉のホームページに掲載されている助成金情報や子どもの居場所の活動に関する各種支援制度などについて、子どもの居場所の運営者等に対して随時情報提供を行っております。
また、企業等からの物品の寄付の申出などの際には、子どもの居場所とのマッチングを行うなど、運営支援に努めているところでございます。
資金の確保としての基金の創設につきましては、先進事例などについて情報収集してまいります。
次に、エ、地域との連携でございますが、本市におきましても、子ども食堂を含む子どもの居場所につきましては、子どもが1人でも安心して行くことができる場と定義しており、その拡充に当たっては、埼玉県をはじめ関係機関、関係部署等と連携し、また、情報共有を行うとともに、地域における子どもの居場所づくり推進の機運醸成も必要であると考えております。
運営団体等の活動の多様性や地域の主体性などを尊重しつつ、相談体制の構築と運営団体の課題解決に資するセミナーの開催などによる支援を引き続き行い、子ども居場所づくりの推進に努めてまいります。
以上でございます。

○議長(菊名裕議員) 魚躬隆夫学校教育部長。
〔魚躬隆夫学校教育部長 登壇〕

◎学校教育部長(魚躬隆夫) 私からは、1、教育問題、1、教育・子育て費用についてのイ、今後の展開についてにお答えいたします。
教育委員会では、質の高い教育内容の充実のため、小学生全学年を対象にした英語検定受験費用の補助や小学校5・6年生及び中学校2・3年生を対象にした民間の学力テストに係る費用の補助を行っているところでございます。
また、小・中学校に在籍する児童・生徒の保護者を対象に、経済的理由により教育費の支出が困難と認められるかたに学用品費などを支給する就学援助制度で支援し、教育に要する費用の負担軽減を行っているところでございます。
今後につきましては、教育費用の負担を軽減する施策の充実のため、他の自治体の取組について調査研究してまいります。
以上でございます。

○議長(菊名裕議員) 松本義博まちづくり推進部長。
〔松本義博まちづくり推進部長 登壇〕

◎まちづくり推進部長(松本義博) 私からは、2、子育て施策、1、子ども食堂についてのうち、ウ、会場の確保についてお答えいたします。
議員ご提案の空き家活用の在り方の1つとしての子ども食堂の運営者との連携につきましては、空き家の利活用を促進するとともに、子どもの居場所づくりにつながる有効な施策であると考えております。
市では、公益社団法人埼玉県宅地建物取引業協会埼玉東支部と連携の下、令和元年10月に空き家の利活用の相談窓口を開設いたしました。
また、三郷市空家等対策計画の改定における基礎資料とするほか、利活用が可能な空き家の掘り起こしを目的として、今年度から空き家の実態調査に着手したところでございます。
市内の空き家の実態を把握し、庁内におけるマッチングの仕組みづくりに取り組むことで、子ども食堂や地区サロンなど、公益的な空き家の利活用につながるものと考えております。
今後につきましては、空き家が子ども食堂などの公益的な取組に利活用できるよう、先進事例の取組を参考にしながら関連部署との調整を図ってまいります。
以上でございます。

○議長(菊名裕議員) 渡邉雅人議員。
〔6番 渡邉雅人議員 登壇〕

◆6番(渡邉雅人議員) それぞれご答弁いただきましてありがとうございました。再質問と要望をさせていただきます。
まず、教育・子育て費用についてです。
アの幼児教育・保育の無償化の影響については、定員制でなかった園が定員制となってしまったといったご意見が課題としてはあったものの、正確な評価を下すだけの大きな影響は現時点ではなく、そうした中でも考えられるメリットとしては、子育て中の保護者のかたにとって経済的負担を軽減しているということが考えられるとのことであったかと思います。
幼児教育・保育の無償化がスタートして約1年半、その恩恵を受けることとなったかたもまだそれほど多くはないため、これからさらに無償化によるメリット、デメリット等が表面化してくるのかなというふうに感じております。
そこで、1点、子ども未来部長に再質問ですが、本市における今後の子育て支援の各種施策の拡充を図るための基礎資料とすることを目的として、年に一度、ご答弁でもおっしゃられていた三郷市保育サービスアンケートが実施されております。このアンケートにおいて、幼児教育・保育の無償化がもたらした影響についての設問を設け、今後の施策の参考とすることは非常に有効なのではないかと考えますが、ご見解をお伺いいたします。
次に、イの今後の展開については、現状行っていただいている英語検定受験費用の補助などの事例をご紹介いただきましたが、今後の展開という点では調査研究をしていくというご答弁であったかと思います。ご紹介した事業のほかにも、例えば、幼児教育・保育の無償化について、ゼロ歳児から2歳児に行われている所得制限をなくして実施している自治体など様々ございますので、それらをぜひ調査研究していただければと思います。
市独自で少子化対策を念頭に置いて、ご紹介したような施策を実行していくことは、非常に大きなエネルギーを要することかと思います。ただ、こうした対策を国に頼るだけの状態では、少子化問題が長期化している現状からも分かるとおり、既に問題の解決に向けて頭打ちの状態であると思います。このことに真正面から向き合い、実際に独自施策の実行へと踏み出し、そして明確に状況が改善している例として、明石市や大阪市をご紹介したわけですが、施策の内容に違いはあれど、どちらにも共通していることは、子どもたち、そして子育て世帯に、市として重点投資をしていくのだという決断をいち早くしたということです。
施策の有効性、実効性を高めるために調査研究を行うことは確かに重要なことではありますが、まちの発展に大きく関わるこうした問題については、時に素早い判断を下さなければ取り返しがつかないといった事態になることも十分にあり得ます。10年、20年先といった未来を見据えて、ご紹介した施策を含めた教育・子育て費用の負担軽減の実現、これを1日も早く決断していただきたいということ、この点は要望といたします。
次に、子ども食堂についてです。
まず、アの来てほしい人や家庭の参加ですが、市としては市のホームページや児童扶養手当を受給しているかたへの通知などを通してご案内すると、こういったことで周知を図っていただいており、今後については、私からご提案させていただいた事業などを通して、さらなる周知に努めていただけるということでございましたので、ぜひより一層、ご注力をいただければと思います。
そして、1問目でも申し上げた事業のほかにも、例えば、就学援助費支給事業の対象世帯にご案内を行うなど、子ども食堂を必要としている可能性のあるかたへ情報を届けられるようにしていくための選択肢は多岐にわたると思います。そのためには子ども未来部だけではなく、教育委員会との連携も必要になってくると思いますので、ぜひ横断的に取組を進めていただきますようお願いいたします。こちらは要望です。
イの資金の確保については、こども応援ネットワーク埼玉のホームページで紹介されている各種助成金や支援制度の情報提供を行うことを通して、資金の確保につながるよう取り組んでおり、ご提案させていただいた基金の創設については、先進事例の取組を参考にして情報収集していくといったお話でございました。
ご紹介した明石市における現状をもう少しお話しすると、明石市はこども基金のホームページに公開されている実績によると、毎年500万円から1,000万円以上の寄付が寄せられています。各年度それぞれ基金の運用を行っているみたいですが、令和2年3月31日時点で2,285万4,324円もの積立額もあるそうです。これは子育て世帯への様々な施策を積極的に行ってきた明石市だからこそ、これだけの寄付が毎年集まっているのかなとも考えられるのですが、ホームページを読み進めていくと、個人からの寄付だけではなく、多くの地元企業や団体が地域の子どもたちのために寄付をなさっていることが分かります。
本市においても、青少年の健全育成に尽力している企業や団体は多数ございますので、こうした基金を創設することで、そうした方々からの支援が期待できるのではないかなというふうに感じております。ぜひとも先進事例を基に基金の創設に向けて取組を進めていただければと思います。この点も要望です。
ウの会場の確保については、子ども食堂を公益的な取組として捉え、空き家活用の在り方の1つとして有効な施策と考えていると、非常に前向きなご答弁をいただけたなと感じております。まずは実態調査を終えて、その後に空き家の利活用に向けて、マッチングの仕組みづくりなどの次のステップに進んで行かれることと思いますが、ぜひ実現に向けて子ども食堂を運営されている方々からも多くの意見を集めていただいて施策を進めていただくようお願い申し上げます。この点も要望です。
最後に、エの地域との連携についてですが、現状行っていただいているセミナーの開催などを通して、子ども居場所づくりの推進の機運を醸成していきたいといったご答弁でございました。
子ども食堂という取組、2012年に大田区で立ち上げられた子ども食堂から始まったと言われております。そこから全国的に広がりを見せてからまだ間もないため、行政としてもこの取組にどう関わっていけばいいのかなというのを本市でも手探りな部分が多い中、走り出しているのかなというふうに感じております。
そこで、子ども未来部長に1点再質問ですが、まずはこの取組に対して関わり、支援していく上での目標を掲げてはいかがでしょうか。具体的には、1問目でも申し上げたこども応援ネットワーク埼玉などを倣って、小学校数と同じ数だけの子ども食堂の設立を目標として支援していくということを担当部局内での共有はもちろんのこと、対外的にもホームページで掲げて明確にしてはいかがでしょう。これを掲げることによって、市としても今後の姿勢ということを示すことにもつながるかと思いますので、ぜひこの点についてご見解をお聞かせください。
以上で再質問を終わります。

○議長(菊名裕議員) 渡邉雅人議員の2問目に対する答弁を求めます。
大石京子子ども未来部長。
〔大石京子子ども未来部長 登壇〕

◎子ども未来部長(大石京子) 再度の質問にお答えいたします。
保育サービスアンケートに幼児教育・保育の無償化の効果に関する設問の設定をについてのご質問かと思います。
無償化の効果を把握し評価するためには、設問項目や内容、また、時期などの精査が必要と考えます。設問の設定につきましては、今後、調査研究してまいります。
次に、埼玉県では子どもの居場所を小学校区と同数の設置目標としているが、市も同様に設置目標を掲げてはいかがかというような趣旨のご質問かと思います。
子どもの居場所につきましては、子どもが1人で歩いていくことができる範囲にあることが望ましいと認識しておりますので、このことを踏まえ、今後、推進してまいりたいと存じます。
以上でございます。

○議長(菊名裕議員) 以上で渡邉雅人議員の質問を終わります。
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