1生活支援
1.フードパントリーについて
ア.開設支援
イ.運営支援
2福祉施策
1.意思疎通支援
ア.進捗
イ.条例化
2.認知症支援
ア.進捗
イ.徘徊高齢者等探索システム
○議長(武居弘治議員) 通告第9、6番、渡邉雅人議員。
〔6番 渡邉雅人議員 登壇〕
◆6番(渡邉雅人議員) それでは、通告に従いまして、順次質問をしてまいります。
まず、フードパントリーについてです。
埼玉県のホームページにおいて、「ひとり親家庭や生活困窮世帯など、様々な理由で日々の食品や日用品の入手が困難なかたに対して、企業や団体などからの提供を受け、身近な地域で無料で配布する活動や場所がフードパントリーと呼ばれている」と記されております。
コロナ禍以降、生活に困窮するかたが増えてしまっている状況もあり、このフードパントリーに対する需要は高まりを見せております。
埼玉県内においては、県ホームページでも紹介されているNPO法人埼玉フードパントリーネットワークが、子育て中で食品支援が必要な家庭を対象としたフードパントリー活動を行う団体への支援に尽力されていることもあり、児童扶養手当などを受給されている方々を対象としたフードパントリーが、着実に広がりを見せております。
本市においては、現在、1団体によるフードパントリーが行われており、こちらに関しても子育て中で食品支援が必要な家庭を対象とした活動がなされております。
以上の現状を踏まえ、今回は2点質問をさせていただきます。
初めに、アの開設支援についてです。
先ほども申し上げたように、現在、本市においては子育て中で食品支援が必要な家庭を主な対象としたフードパントリーが実施されております。ただ、埼玉県のホームページに加えて、NPO法人埼玉フードパントリーネットワークのホームページにおいても、「フードパントリーとは誰もが食に困ったときに無償で食の支援が受けられる場所や活動のことである」と示されているように、本来は子育て世帯に限らず、食に対する支援を必要とする全てのかたが支援を受けられることが望ましいと考えます。
ただ現在、本市において実施されているフードパントリーは、対象を子育て中で食品支援が必要な家庭に絞った状態のままでも、開始当初は約70世帯であった登録世帯が、現在は約250世帯まで増加をしているとのことで、この1団体だけに食に対する支援を必要とする全てのかたへの支援という役割を求めるのは厳しいのではないかなというふうに感じます。
そこで、必要となってくるのが、複数のフードパントリーによる多面的な支援で、必要とする全てのかたへ支援が行き渡ることを実現することであるというふうに考えます。
実際に、県内において、例えば、さいたま市では、子育て世帯以外も対象としたフードパントリーをはじめとして、10か所のフードパントリーが実施されており、必要とする全てのかたに支援が行き渡るための環境の構築が進んでおります。そのほか、戸田市や新座市、朝霞市、上尾市などでも複数箇所のフードパントリーが開設されております。
本市においても、こうした状況へと進展できるよう、フードパントリーの新規開設へ向けて開設を希望する個人や団体の発掘、開設へ向けた体制構築のサポートを実施すべきと考えますが、ご見解をお聞かせください。
次に、イの運営支援についてです。
現在、本市のフードパントリーは複数の子ども食堂などで組織されている団体によって運営されています。先ほども申し上げたように、このフードパントリーへの登録者は、現在約250世帯にも上り、登録者の増加、そしてそれに伴った配布する食品などの増加により、現在、様々な課題を抱えているとのお話を伺っております。
雨天時なども問題なく配布が行えるような場所の確保、寄付された食材を保管できる倉庫の確保、各配布場所へ食材を運搬するときの車両の確保、市としてフードバンクを行うことなどによる寄付食材の安定的な確保など、市からいただければありがたい支援が、挙げれば切りがないほどあるというようなお話でした。
そこで、こうした支援の実施についての展望、そしてフードパントリーを実施している団体と連携を深め、的確な市としての支援を実施していくための方策についてお伺いいたします。
次に、意思疎通支援についてです。
平成30年度からの5年間を対象期間として、内閣府が示している第4次の障害者基本計画では、意思疎通支援について、聴覚、言語機能、音声機能、視覚、失語、知的、発達、高次脳機能、重度の身体などの障がいや難病のため意思疎通を図ることに支障がある障がい者に対して、手話通訳者などのそれぞれの障がいに対応した支援を行うとともに、そうした人材の育成、確保を図るために養成研修などを実施し、コミュニケーション支援を充実させると記されております。この意思疎通支援に関して、今回は2点お伺いいたします。
まず、アの進捗についてです。
意思疎通支援に関しては、令和元年9月議会において、高次脳機能障がい者に対しての支援の推進という趣旨で一度質問をさせていただきました。その際のご答弁は、高次脳機能障がい者のかたに対する支援は、埼玉県内においても事例がないという状況だが、本人や家族、支援者などから具体的なニーズを聞き取るなど、活用について検討していくというものでした。前回の質問から2年が経過しておりますので、その後の意思疎通支援に関する進捗をお聞かせください。
次に、イの条例化についてです。
本市においては、意思疎通支援に関わる条例として三郷市こころつながる手話言語条例がございます。この条例は、「手話に対する理解及び手話の普及促進並びに手話を使用しやすい環境の整備は、手話が言語であるという認識に基づき、すべての市民が、互いにその個性と人格を尊重することを基本として行わなければならない」という基本理念の下、平成29年4月から施行されております。
この基本理念は、まさに意思疎通支援の趣旨と一致しており、こうした条例が当時県内4番目と早期に施行されていることには大変誇らしく思います。ただ、意思疎通支援を必要としているのは、手話を言語として意思疎通を図っている聴覚障がい者のかただけではありません。
先ほどもご紹介したように、言語機能、音声機能、視覚、失語、知的、発達、高次脳機能、重度の身体などの障がいや難病のため、意思疎通を図ることに支障があるかたなど、様々な障がいをお持ちのかたが意思疎通に関する支援を必要とされております。
そして、第4次の障害者基本計画が示されて以降、聴覚障がい者に限らず、意思疎通が必要なかたへの支援を行政として推進していくという姿勢と施策の方向性を明確にするため、複数の自治体において、意思疎通支援に関する条例が制定、施行されております。
県内の例を挙げると、草加市では、草加市障がいのある人のコミュニケーション条例が本年9月に施行、深谷市では、深谷市障害の特性に応じたコミュニケーション手段の確保の促進に関する条例が本年4月に施行されました。
本市においても、こうした状況を鑑みて、意思疎通支援に関する条例を制定し、市の意思疎通支援に関する積極的な姿勢と施策の方向性を示していくべきであると考えますので、ご見解をお聞かせください。
次に、認知症支援についてです。
認知症のかたへの支援に関しては、過去に早期発見、早期治療がその後の進行を防ぐことに非常に有効であるという観点から、何度か質問をしてまいりました。
今回は、そうした観点に加えて、発症後、ある程度進行したかたへの支援という点についても質問させていただきます。
まず、アの進捗についてです。
先ほども申し上げたように、これまで何度か一般質問の場で認知症の早期発見、早期治療の重要性を訴えてまいりました。そのためのツールとして、神奈川県大和市の取組で使用されていた認知機能評価アプリを参考として、気軽に認知機能のチェックができる仕組みづくり、そして必要なかたにはそこから医療へとつないでいける体制づくりを求め続けておりました。
その後、認知症簡易チェックサイトが実装されるなど、一定の施策の進行が見られていた中で、直近の令和2年3月の質問の際には、認知症簡易チェックサイト利用者のうち、15%が認知症の疑いがあるという結果が出ており、今後の相談先や相談後の受皿が課題であると認識しているとのご答弁をいただきました。
それを受けて、私からは、市が実施している介護予防の場などを活用し、直接顔を合わせてチェックサイトを体験していただき、その結果によってアドバイスができる機会を設けてはどうかという提案をさせていただいておりましたが、その後の進捗についてお聞かせください。
次に、イの徘徊高齢者等探索システムについてです。
認知症の症状のひとつである徘徊は、ご本人はもちろんですが、ご家族や介助者にとっても見守りや、万が一行方が分からなくなってしまった場合の捜索など、身体的にも精神的にも大きな負担となってしまう症状のひとつです。
そうしたかたへの行政的な支援のひとつとして、本市では徘徊高齢者等探索システム利用助成事業が実施されており、こちらは認知症のかたに限らず、高次脳機能障がいなどの症状によって徘徊をされるかたにも利用ができるようになっております。
本年9月議会の質疑の場において、徘徊高齢者等探索システム利用助成事業の今後の課題として、利用者から持ち歩く機械が大きいという声があり、小型の機械への変更の可否について、利用促進につなげるものとして検討しているといったお話がございました。
そこで、機械の小型化について、21世紀クラブの同僚議員からも、平成30年9月議会でご提案をさせていただいておりましたものも含めて、幾つかご紹介をさせていただきます。
1つ目は、靴にGPS機器を埋め込むタイプのものです。徘徊高齢者等探索システムの機器が大きいことがなぜ利用促進につながらないのか。
その大きな理由のひとつとして、外出時に携行し忘れないということにつながらないから、という点が挙げられます。それを解決する手段のひとつとして考案されたのが、この靴に埋め込むタイプの機器です。
外出するときに認知症のかたが好んで履いていく靴に、この機器を埋め込んでおくことで、機器を携行するのを忘れてしまったという事態を防ぐ効果が高いことが期待されることから、神奈川県の大和市などでこのタイプの機器が導入されております。
2つ目は、爪にQRコードのシールを貼るといったタイプのものです。こちらは、GPS機器のように徘徊をされているかたが今どこにいるのかということがリアルタイムに分かるものではありませんが、このQRコードを読み取ることで、市役所へ連絡が取れ、市役所はQRコード内の身元紹介番号によって個人を特定できるようになっております。
こちらは警察や消防をはじめとして、周りのかたが徘徊されているかたに対して声かけをして、初めて身元の特定や保護につながるものとはなっておりますが、外出時に携行し忘れるというリスクがほとんどないことから、GPS機器と併せて利用することで、高い効果があるのではないかと考えます。
実際に、平成28年からこのQRコードの爪に貼るタイプのシールを導入した入間市では、そうした効果を期待して、導入から僅か半年で30人からの申請があり、交付に至ったそうです。
ご紹介した2例ともに共通しているのは、徘徊をされるかたが機器を携行し忘れるというリスクをいかに軽減するかという点です。このリスクが軽減されなければ、結局はシステムがあっても、ご家族や介助者のかたにとって常に見守りをし続けなければならないという身体的、精神的負担は軽減されません。
ぜひともご紹介をした例を含めて、小型化という視点だけではなく、徘徊をされるかたが携行しやすい、携行し忘れない機器の導入を果たしていただきたいと思いますので、ご見解をお聞かせください。
以上で1問目を終わります。
○議長(武居弘治議員) 渡邉雅人議員の質問に対する答弁を残して、暫時休憩いたします。
△休憩 午前11時02分
△再開 午前11時19分
○議長(武居弘治議員) 再開いたします。休憩前に引き続き会議を開きます。
渡邉雅人議員の質問に対する答弁を求めます。
大石京子子ども未来部長。
〔大石京子子ども未来部長 登壇〕
◎子ども未来部長(大石京子) 私からは、1、生活支援、1、フードパントリーについてにつきまして、順次お答えいたします。
初めに、ア、開設支援でございますが、現在、市内のフードパントリーは、子育て世帯向けに1団体により4か所を開設場所として行われており、登録者は年々増加していると運営団体から伺っております。
現在、本市では子どもの居場所のひとつとして子育て世帯向けのフードパントリーを対象としており、その開設を考えているかたに対する開設支援として、担当部署で相談を受けるほか、「子どもの居場所」づくりセミナーでは、様々な子どもの居場所の開設に係るテーマを設定し、開催しております。
また、開設を考えている、希望しているかたに対して、埼玉県が行っている開設に向けたアドバイザー派遣制度などを紹介し、開設の支援に努めているところでございます。
次に、イ、運営支援でございますが、フードパントリーへの登録者が増える中、運搬や場所の確保などの課題があることは伺っております。
運営支援でございますが、昨日の寺沢議員の質問でも答弁いたしましたが、令和3年10月号の「広報みさと」において、運営に係る食材や物品、保管場所や開催場所の提供などについて掲載いたしました。
また、埼玉県が企業やNPO法人と協定を結んでいる開催場所や保管場所の情報を収集し、相談を受けた際には情報を提供し、支援しているところでございます。
今後もフードパントリーの運営団体と課題を共有し、連携を図りながら支援に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(武居弘治議員) 木津雅晟市長。
〔木津雅晟市長 登壇〕
◎市長(木津雅晟) 渡邉議員のご質問にお答えいたします。
2、福祉施策の1、意思疎通支援のイ、条例化についての総論についてお答えし、他につきましては担当部長をして答弁いたさせます。
本市では、障害者基本法の目的を踏まえ、障がい者の自立及び社会参加の支援等のための施策を、総合的かつ計画的に推進していくため、令和3年3月に三郷市障がい者計画を策定し、その中で障がいがある方々の個々の特性に応じた意思疎通支援の推進をすることとしております。
ご質問の意思疎通支援に関する条例化につきましては、他自治体の動向を注視してまいります。
○議長(武居弘治議員) 妹尾安浩福祉部長。
〔妹尾安浩福祉部長 登壇〕
◎福祉部長(妹尾安浩) 私からは、2、福祉施策のご質問に順次お答えいたします。
最初に、1、意思疎通支援のア、進捗についてでございますが、高次脳機能障がい者及びその家族などからの相談は年々増加しております。
本市では、相談対応を行う中で支援力の向上や個々の特性への理解を深め、意思疎通に困難を抱えるかたが、必要なときに必要な支援を受けられるよう努めるとともに、高次脳機能障がい者を支援する団体と当事者を交えた相談会の実施や高次脳機能障がいの理解・啓発のためのリーフレットの作成等を行ってまいりました。
高次脳機能障がいにつきましては、外見だけでは判断が難しい障がいでもあることから、引き続き、周知、啓発に取り組むとともに、適切なサービスにつなげる支援を行ってまいります。
次に、イ、条例化についてでございますが、議員ご質問のとおり、意思疎通支援は聴覚障がいや高次脳機能障がいをはじめ、視覚障がい、知的障がい、難病などにより意思疎通を図ることに支障があるかたなどが必要としている支援であると認識しております。
個々の障がいの状態によって必要とされる意思疎通を含めた支援の手段も異なることから、条例の他の自治体の制定状況を見るとともに、本年3月に策定いたしました三郷市障がい者計画に基づき、当事者及び支援者から状況を伺いながら、施策の充実に努めてまいります。
次に、2、認知症支援につきまして、順次お答えいたします。
初めに、ア、進捗についてでございますが、認知症簡易チェックサイトは、令和3年度は10月末までに4,028名の利用がございました。
認知症簡易チェックサイトは、利用者が個人情報を入力せず、気軽に認知症の症状の有無を知ることができることが利点であり、令和元年度は産業フェスタ、misato styleにおいて、来場者を対象に地域包括支援センターと市の職員とで簡易チェックサイトを用いた啓発を実施いたしましたが、令和2年度、3年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、対面での啓発は実施できませんでした。
令和2年度からは、簡易チェックサイトに加え、神奈川県大和市の取組と同様、より詳しく認知機能の状態を知ることができる脳とからだの健康チェックを試験的に開始し、令和3年度から対象者の範囲を広げて実施し、結果によって医療機関や必要な介護サービス、介護予防教室等につなげております。
今後は、感染症の状況に考慮しつつ、高齢者が集まる場において対面での啓発活動を再開するとともに、簡易チェックサイトの結果の画面から、脳とからだの健康チェックの申込み画面に移れるよう、令和4年度からサイトの内容変更を予定しております。
いずれの検査も医師の診断ではありませんが、認知機能の低下の早期発見、早期対応のきっかけとなるよう、今後も取り組んでまいります。
次に、イ、徘徊高齢者等探索システムについてでございますが、徘徊高齢者等探索システムは、高齢者や障がい者が専用の端末機を携帯することにより、徘徊発生時にその位置情報を介護者に提供するシステムでございます。
端末機のサイズが大きく、高齢者等に持ち歩かせることが難しいとの声をいただいており、利用者も10月末時点で7名と少ないことから、課題と捉えております。
現在、付帯されております現場急行サービスが、過去3年間利用されていない現状も踏まえ、衣服や靴などに装着できる小型軽量の端末機の導入など、高齢者等や介護者が利用しやすいサービス内容の見直しを進めているところでございます。今後も適切なサービスとして利用していただけるよう改善に努めてまいります。
また、議員ご提案のQRコード付きシールにつきましては、三郷市では衣類や小物に貼り付けることができる同機能のシールを、令和元年7月1日から高齢者等SOSネットワーク事業の登録者に配布しており、11月末時点で52名の登録がございます。シールは簡便で電池切れの心配がないことが利点で、現在はシールをより剥がれにくい素材に見直しているところでございます。
今後も他市町村の先進的な取組を研究し、利用しやすい事業となるよう努めてまいります。
以上でございます。
○議長(武居弘治議員) 渡邉雅人議員。
〔6番 渡邉雅人議員 登壇〕
◆6番(渡邉雅人議員) それぞれご答弁いただきましてありがとうございました。再質問と要望をさせていただきます。
まず、フードパントリーについてです。
アの開設支援について、子どもの居場所として、現在、本市として捉えている現状であったり、あとはセミナーなどでのご説明であったり、担当部署でのご相談を受けている状況であったりというところをご答弁いただきました。
1問目でも申し上げましたが、フードパントリー、本来、食に対する支援を必要とする全てのかたが支援を受けられるということが望ましいというふうに考えております。
そのためには、本市でもフードパントリーという取組が現在の1団体によるものだけでとどまることがなく、さらなる広がりを見せることが必要であるというふうに考えております。
そこで、民間によって実施されている開設支援として、セカンドハーベスト・ジャパンの取組をご紹介させていただきます。
セカンドハーベスト・ジャパンでは、フードパントリーの開設を目指している方々に対して、問合せフォームであったりとか、キックオフミーティングというものを通して、開設するための大きな課題となる食品を引き取るための車両の確保、食品を保管・提供するための場所の確保、運営ボランティアの確保といった課題を解決していくためのサポートを行って、開設支援ということを行われています。
フードパントリーの開設について、現状としては、ご相談にこられたかたであったりとか、セミナーに関してその一部の説明であったりとか、実際にご相談にきた、ある程度市としては受け身の状態で実施しているのかなという印象でございますけれども、これに関して、フードパントリーの開設へ向けて、市として直接的な支援というのはなかなか難しい点も多々あるのかなというふうには思いますが、こうした開設を目指す方々へ相談の窓口、しっかりとしたもの、正式なものを設置してサポートを実施していってはいかがでしょうか。
本来、この開設支援に関しては、子育て世帯以外にもその対象を広げていくという視点に鑑みると、子ども未来部だけで完結できる内容ではないのかもしれません。ただ、現在、フードパントリーを所管しているのが子ども未来部というふうになっておりますので、子ども未来部長にこの点についてご見解をお伺いいたします。
次に、イの運営支援についてですが、こちらに関しては「広報みさと」への掲載であったりとか、情報提供であったりとか、そういったところを実施しておりますといったお話であったかと思います。
運営支援に関しては、先ほどセカンドハーベスト・ジャパンが行われている開設支援についてのときにもご紹介したような点のほかにも、1問目で申し上げた寄付食材の安定的な確保であったりとか、実際運営する上で様々な課題がございます。このひとつひとつについて支援の実施の可否ということをここで伺うことはいたしませんが、その中でひとつだけ食品を保管・提供するための場所の確保に関して再質問がございます。
昨日の一般質問において、本市で現在、子どもの居場所として実施されている子ども食堂やフードパントリーへの支援として空き家の活用をという趣旨の質問がございました。同様の提案を、私も本年3月議会で行っており、その際はまちづくり推進部長から、空き家活用の在り方のひとつとして、指定の子ども食堂の運営者との連携について空き家の利活用を促進するとともに、子どもの居場所づくりにつながる有効な施策であると考えている。そして、市内の空き家の実態を把握し、庁内におけるマッチングの仕組みづくりに取り組むことで、子ども食堂や地区サロンなど公益的な空き家の利活用につながるものと考えていると、かなり前向きなご答弁をいただいたなと当時感じておりました。
そのため、その後の進捗も含めてどのようなご答弁になるのかなと楽しみに聞いていたのですが、担当部署と連携して検討しているが、なかなか難しい面があるという内容でございました。率直に申し上げて、落胆いたしました。
そこで、昨日のご答弁でおっしゃられていた、なかなか難しい面があると、かなり抽象的な表現でございましたので、この空き家の利活用に関して、具体的にどのような課題があると捉えておるのか、子ども未来部長にお伺いいたします。
また、フードパントリーを実施している団体としっかり連携を深めてほしいと、その点についてもお伺いしたのですが、その点については、今後もしっかりと連携を図っていきますというような内容を少し触れていただきました。
ただ、現状の連携状態において、もちろん職員の皆様が実施している団体の方々とコミュニケーションを取りながら支援をいただいているということには感謝を申し上げますが、実は1点、連携不足により団体の方々に負担をかけるといったことがあったというお話を伺っております。
現在、本市で実施されているフードパントリーは、児童扶養手当の受給世帯などを対象としていることもありまして、利用者のプライバシーを守るという観点から、運営団体としては、対外的に開示する情報には一部制限をかけながら運営をしていると伺っています。
しかしながら、市の広報物などにその制限をかけている内容が明示されてしまっていた事案があるというふうに伺っています。現時点では、このことによって大きな問題にまでは発展していないようですが、現状のままでは、またいつこうした問題が起こるか分からないという懸念が残ります。
こちらも1問目で申し上げましたが、現在の本市のフードパントリーの実施団体は複数の子ども食堂などが参加しているため、それぞれの団体において感じている課題にも違いがあるようです。
そうした点を共有する場として、意見交換会であったりとか、総会といった場が設けられているようでございますので、そうした際に、定期的に市としてフードパントリーを運営していく上での課題や市と運営団体の連携事項について確認をするということを実施していただければ、先ほど申し上げたような懸念点を解消していけるのではないかなというふうに考えますが、この点についてご見解をお聞かせください。
次に、意思疎通支援についてです。
アの進捗については、高次脳機能障がい者のかたを支援している団体の皆さまとともに、当事者を交えた相談会の実施、そして啓発のためのリーフレット作成などを行ってこられたという内容であったかと思います。
2年前のご答弁でおっしゃられていた、本人や家族、支援者などから具体的なニーズを聞き取るなど、活用について検討していくという点について、着実に歩みを進めていただいておるということに感謝を申し上げます。その上で1点要望がございます。
ご答弁で、適切なサービスへつなげるための支援を行っていくというお話がございましたが、そのために必要となるのが、2年前の質問でもご提言をさせていただいておりました医療と介護の現場それぞれにおいて、高次脳機能障がいに対する理解とお互いの連携を深めていくということであると考えます。
今回はこの点については取り上げてはおりませんが、適切なサービスへつなげるという上で必須の条件であるというふうに思いますので、この点に関しても引き続きご尽力をいただきますよう、お願い申し上げます。
そして、イの条例化に関しては、市長からは、他自治体の動向を注視していくと、そして福祉部長からは、それぞれの障がいの内容によって必要とされる支援が異なるので、市の障がい者計画に基づいて施策を充実させていきたいといったお話でございました。
まず、申し上げたいのですが、今回の条例化の提案というのは、個別具体的な支援をこの条例で定めてほしいというわけではありません。1問目でも申し上げたように、他市における意思疎通支援に関する条例は、意思疎通支援を行政として推進していくのだという姿勢と、その施策の大きな方向性を示すような内容となっており、三郷市においてもそうした条例を制定してほしいといった思いからご提案をさせていただきました。
また、他市の動向を注視、県内の事例も少ない中で、そういったことも必要なのかなという点も理解はできるのですが、ただ、だからこそ早い段階でこうした条例を制定することで、本市の姿勢を示すべきであるというふうにも感じております。
この点についても1問目で申し上げましたが、聴覚障がい者のかたに対する意思疎通支援の姿勢、そして方向性を示した三郷市こころつながる手話言語条例、こちらは県内4番目という早い段階で条例化がされております。
これは聴覚障がい者のかたが安心して暮らせるまち、暮らしやすいまちに三郷市がなっていくのだということを、他市に先駆けて示したということであり、当時、私はこの一連の流れには関わっておりませんが、三郷市がそうした人に優しい市だということを私は大変誇らしく感じております。
ぜひ聴覚障がい者のかただけではなく、高次脳機能障がい者、そして視覚障がい者などを含めて、支援を必要とする全てのかたに対する意思疎通支援に関する条例の制定について、前向きにご検討をお願いしたいと思います。この点も要望です。
そして、最後に認知症支援についてです。
まず、アの進捗については、コロナ禍の影響により対面事業などなかなか難しかったところもあったということでしたが、そういった中でも脳とからだの健康チェックを実施して、そして大和市のように、医療機関などへつなぐ、こうした取組を開始されたといったことでございました。
また、令和4年度からは、この脳とからだの健康チェックの申込み画面へと移行できるように、サイトの内容を変更予定ということで、順調にこの認知機能チェックに対する取組が進んでおりますことに感謝を申し上げます。
引き続き、認知症の早期発見、早期対応につながるよう、こうした取組の推進をお願い申し上げます。
そして、イの徘徊高齢者等探索システムについては、ご提案させていただいた靴に埋め込むタイプに加えて、衣服に装着できるタイプなど、前向きに検討いただけるのかなといった感想を持たせていただきました。
1問目でも申し上げたように、重要なのは、このシステムの利用者が外出時に携行し忘れるというリスクをいかに軽減できるかという点です。今回、ご提案させていただいた靴に埋め込むタイプ以外にも、現在はこのリスクを軽減するための商品が様々ございますので、検討後、導入を目指していただければと思います。この点は要望です。
また、QRコードのシールに関しては、衣服や小物に貼り付けられるものを、令和元年7月から導入をいただいているというお話でございました。もちろん徘徊をされるかたが愛用されている衣服や小物にこのQRコードを貼り付けるというのは、外出時に携行し忘れるというリスクの軽減に一定の効果が見込めると思います。
ただ、今回ご提案した爪に貼り付けるタイプは、自身の体の一部に貼り付けるということになりますので、このリスクを限りなくゼロに近づける効果があるというふうに感じております。数少ない懸念点である、入浴したときなどに剥がれてしまうといったリスクですが、この商品を紹介していた記事によりますと、入浴をしても簡単には剥がれず、一度貼ると約2週間は貼り替える必要がないようになっているといった内容でございました。
現在、導入されている衣服や小物に貼るタイプのものも、導入後に剥がれにくい素材に見直すなど、随時更新を図っていただいているようでございますので、ぜひこの爪に貼るタイプに関しても、今後、選択肢に含めていただければいいのかなというふうに考えております。この点についても要望です。
以上で2問目を終わります。
○議長(武居弘治議員) 渡邉雅人議員の2問目に対する答弁を求めます。
大石京子子ども未来部長。
〔大石京子子ども未来部長 登壇〕
◎子ども未来部長(大石京子) 再度のご質問にお答えいたします。
まず1点目、相談の窓口を設置してサポートをすべきではないかということでございますが、現在の体制で丁寧に邁進してまいりたいと考えております。
それから2点目、空き家の利活用について、なかなか難しい状況であるということで昨日答弁いたしましたが、その内容ということでございますが、所有者のかたの希望と居場所運営団体との希望が折り合わず、合致する物件が市が把握する範囲では現状としてはなかったということでございます。
最後に3点目、開設場所に関しては、プライバシーの観点も必要ではないかということの懸念に対することかと思います。運営団体との交流会なども、「子どもの居場所」づくりセミナーの後実施しておりますので、それらを通して連携を深めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(武居弘治議員) 以上で渡邉雅人議員の質問を終わります。