2023年3月議会一般質問議会-渡邉雅人

1教育問題
1.いじめに対する取り組みについて
 ア.今後の方針
 イ.市長部局の創設

2.小・中学校生活に関わる購入品について
 ア.制服
 イ.ランドセル

3.給食費の無償化について
 ア.要因
 イ.今後

 

△渡邉雅人議員

○議長(武居弘治議員) 通告第5、6番、渡邉雅人議員。
〔6番 渡邉雅人議員 登壇〕

◆6番(渡邉雅人議員) それでは、通告に従いまして、順次質問をしてまいります。
まず、いじめに対する取組についてです。
長年にわたり全国的に問題となっている学校におけるいじめ問題ですが、令和4年11月24日付の文部科学省初等中等教育局資料の「いじめの状況及び文部科学省の取組について」によると、いじめの全国での認知件数は、令和2年度はわずかに減少しているものの、年々増加の一途をたどっており、令和3年度は小学校は50万562件、中学校は9万7,937件となっております。
そして、こうした状況を受けて、去る2月7日に文部科学省から「いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について」という通知文が、各都道府県の教育長並びに知事、各指定都市教育長並びに市長などに対して出されました。
この通知文の概要版を見てみますと、その中では、いじめ問題への対応における警察との連携の徹底、児童生徒への指導・支援の充実、保護者への普及啓発、総合教育会議の活用及び首長部局からの支援の4項目が、それぞれ具体策を挙げて示されておりますので、今回はその内容を基に2点お伺いいたします。
まず、アの今後の方針についてです。
通知文の中では、これまでややもすれば犯罪行為として取り扱われるべきいじめ事案も、生徒指導の範囲内と捉えて学校で対応し、警察に相談、通報することをためらっているとの指摘もされてきました。
しかし、「児童生徒の命や安全を守ることを最優先にこうした考え方を改め、犯罪行為として取り扱われるべきいじめなどは、直ちに警察に相談・通報を行い、適切な援助を求めなければなりません」と記されており、概要版においても、複数の項目にわたって警察への通報や相談、連携の重要性が記されています。
そこで、この通知文を受けて、今後の本市におけるいじめに対してどのように向き合い、対応をしていくのか、その方針をお示しください。
次に、イの市長部局の創設ですが、この件に関しては、令和2年3月定例会における私の一般質問で一度ご提案をさせていただいておりました。概要を再度申し上げますと、寝屋川市で実施されていたいじめ問題は、教育的アプローチだけでは対応し切れない面もあるという仮説の下、いじめの予防、見守りは学校で、いじめ判明後の対応は市長部局で行うという役割分担を行う行政アプローチ、いじめ問題に対して、出席停止やクラス替えなどの対応を行っても解決しない場合には、賠償請求など民事訴訟の支援や警察への告訴支援を行い、弁護士への相談料や訴訟費用の一部を補助するといった法的アプローチという取組を参考に、本市においても、市長部局でいじめに対する取組を実施すべきではないかといった内容のご提案でございました。
当時のご答弁では、いじめの未然防止を図るために教育環境を充実させていくことが教育委員会の責務であると考えていること、いじめの重大事態が発生した場合においては、教育委員会の附属機関として教育、法律、心理等についての専門的知識、経験を有する委員で構成する三郷市いじめ問題調査委員会が調査、審議することとなっていることなどを挙げていただき、基本的にはいじめが行われなくなるようにしていくことに注力をしていくというようなお話でございました。
文部科学省通知文概要版の4項目めには、先ほども申し上げたとおり、総合教育会議の活用及び首長部局からの支援が掲げられており、この中では「いじめの重大事態における学校又は学校設置者の調査の実施に当たり、必要に応じて、首長に支援や協力を求め、迅速な調査組織の立ち上げ及び調査の開始に努めること」が記されており、まさに寝屋川市の監察課のような取組が今後必要であるということが示唆されているのではないかと感じます。
そこで、改めてお伺いいたしますが、3年前にも申し上げたとおり、市民の1人である被害児童・生徒をいじめという人権侵害から守るために、被害者保護を最優先とすることを趣旨として、教育的アプローチとは別の視点から対応していく市長部局の創設をすべきではないかと考えますが、ご見解をお聞かせください。
次に、小・中学校生活に関わる購入品についてです。
小・中学校生活を送る上で必要な購入品は教科書や文房具など多岐にわたり、それらを全てそろえるためにかかる費用は決して小さなものではありません。そのため皆様もご承知のとおり、経済的理由により就学させることが困難と認められるかたに対しては、学校生活に関わる費用の一部を就学援助費として援助する制度がございますが、1つ1つの購入品やかかる費用が高額なため、どうしてもこうした方々にとってはもちろん、そして就学援助費の対象外となる世帯のかたにとっても大きな負担が生じてしまっていることは否めません。とはいえ、これらの負担を就学援助費のような制度で全て行政で賄うというのは現実的ではございません。
そこで、今回は、費用を援助、補助するという視点ではなく、そもそも就学にかかる費用をこれまでよりも少なく抑えることはできないだろうかという視点で、2点にわたりご提案をさせていただきます。
まず、アの制服についてです。
本市では、市内にある8校の中学校全てにおいて学校指定の制服を着用することが定められています。総務省の小売物価統計調査によると、2022年1月時点における制服価格の全国平均は、男子が3万6,607円、女子が3万5,505円となっており、年々高騰しております。
こうした状況の中、近年、学校指定の制服とジャージに加え、第3の選択肢となる新しい学生の日常着として期待される準制服を導入する自治体が見られるようになってきました。
一例としまして、三重県の鳥羽市立鳥羽東中学校の事例をご紹介させていただきます。
鳥羽東中学校では、制服が高価なことによる買換えのハードルの高さが課題であることや、制服にも多様化が求められていることを背景に、準制服の導入を決断されたそうです。
選定するに当たっては、シンプルでベーシックな商品を取り扱っているため、指定の制服に合わせやすいこと、品質が良く、手頃な価格であることを理由として、株式会社ユニクロの製品を選定し、年間としてシャツとパンツ、夏用のポロシャツ、秋冬用のニットを準制服として導入されたそうです。
実際に導入された商品を拝見したところ、シンプルなデザインのシャツやパンツなどが約1,000円から約3,000円の価格帯となっており、指定の制服の価格帯と比べ、購入時の負担が低く抑えられるようになっておりました。
保護者のかたからは、感想として、安価で手頃に購入できるといった声や、店舗に行ってすぐに購入できるのはもちろん、オンラインですぐに手配できるのがいいといった声があったそうで、金銭面だけにとどまらず、購入に伴う手間の軽減など、多くのメリットがあったことが分かります。
そこで、本市においてもこうした準制服制度を導入し、保護者の負担を軽減することについてご見解をお聞かせください。
次に、イのランドセルについてです。
小学生の通学時に使用するかばんとして定着しているランドセルですが、このランドセルは法的な着用義務はないものの、全国的にほとんどの小学生が着用して通学しており、本市においても、一部の小学校では原則としてランドセルで登校するという決まりが定められているものの、特段の定めがない中で、多くの児童がランドセルを着用して通学しています。
このランドセルも購入額が年々高騰しており、一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会のホームページによると、2022年の購入金額の平均は5万6,425円と、昨年から1,086円上昇しているそうです。
こうした状況の中で注目を浴びているのが、富山県立山町が2023年度以降に入学する全児童に無償配布をすることを決定した、アウトドアメーカーである株式会社モンベルが開発した通学用バックパックである「わんパック」という商品です。
ランドセルに求められるA4サイズの教科書や文房具もしっかりと入る大きさであることをはじめとした多機能な収納性、6年間という長期間、雨の日などにも使用するに当たっての耐久性や防水性に加えて、従来のランドセルが一般的に平均1,100グラムから1,300グラムという重さだったのに対して、この商品は930グラムと軽量であることなどから、立山町で無償配布が実施されると発表されて以降、一般発売はしないのか、立山町でしか買えないのかといった問合せが殺到したそうです。
そうした反響を受け、全国で一般発売されることになった「わんパック」は、定価が税込みで1万4,850円と非常にリーズナブルであることも相まって、2022年11月1日に注文の受付を開始すると、年内販売分はすぐに完売となったそうです。
そこでお伺いをいたしますが、現在、本市では先ほども申し上げたように、ランドセルを使用することが義務とはなっていないものの、こうした通学用バックパックを使用することも可能ということがあまり児童や保護者に伝わっておらず、ほとんど全ての児童がランドセルを着用しているのが現状です。
通学用バックパックを無償配布すべきとまでは申し上げませんが、経済的な負担や機能面を考慮して、こうした通学用バックパックを使用することも可能であることを、新入学生の保護者、在校生の保護者にきちんと周知し、児童、保護者にとっての選択肢を広げることについてご見解をお聞かせください。
次に、給食費の無償化についてです。
本市では、令和4年6月臨時会で可決された補正予算(第3号)において、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、令和4年9月から令和5年3月の期間を対象として、本市在住で市内小・中学校や保育所に通う児童・生徒に対しては給食費の減免、市外の小・中学校や市内の幼稚園、私立の保育園、認定こども園、幼児教室風の子園などの認可外保育施設等、その他市外の保育園、幼稚園、認定こども園、認可外保育施設等に通う児童・生徒に対しては子育て家庭における給食費などの負担軽減支援交付金を交付することで、実質上の給食費の無償化を時限的に実施されておりました。
この間、子育て世帯の皆様からは、毎月の給食費が免除されるのはとても助かるといった好意的な声が非常に多く、令和5年3月の期間終了以降も給食費の無償化を継続してほしいといった声が多かったことは、本定例会に上程された請願からも皆様ご承知のことかと思います。
この請願は、昨日行われた委員長報告において、文教経済常任委員長から採択すべきものと決したとの報告があったにもかかわらず、採決の場において、反対多数で不採択になるという異例の事態となりました。
私を含めた21世紀クラブ所属の議員は、請願に込められた市民の思い、そして昨今の子育て支援の社会的醸成を勘案して本請願に賛成をいたしましたが、不採択となってしまった現実に大変残念な思いでおります。ただ、この給食費の無償化を恒常的なものにしていくためには、市として多額の予算を確保しなければならないことなど、現実的に課題が幾つかあるであろうことも一定理解はできます。
先ほど申し上げた令和4年9月から令和5年3月までの実質的給食費の無償化に要した金額を見てみると、補正予算ベースなので、決算の際に多少のずれは出ると思いますが、合計約4億7,000万円という金額が計上されており、これを1年間に換算すると、約8億円といった大きな予算枠が必要となります。
そこで、まず、アの要因について伺います。
令和5年3月までを期限とする実質的な給食費の無償化について、市民から好意的な声が多かったことや、恒常的な制度としてほしいといった声が上がっていたことは、行政側の皆さんももちろん承知されていることと思います。
そうした中でも、今回、4月以降はこれまでどおり給食費を徴収する形に戻すという結論に至った要因について、私から申し上げた予算面も含め、その詳細をお聞かせください。
次に、イの今後についてです。
請願も不採択となってしまい、本市においては先ほど来申し上げてきたとおり、4月以降は給食費をこれまでどおり徴収するという形に戻ることとなったわけですが、その上でも、今回の委員会での採決と本会議での採決のねじれ現象とも言える結果を鑑みると、やはり今後については、いま一度一考すべき時期に差しかかっているのではないかというように感じております。
国において異次元の少子化対策を実施していくという方針が示された中で、地方自治体においては、続々と給食費の無償化を実施することにかじを切った自治体が現れ始めています。例えば、これまでは埼玉県内では幾つかの町村のみでの実施となっていた全児童・生徒に対しての給食費の無償化を、坂戸市が令和5年度から県内の市としては初めて実施をすると先日発表がありました。
本定例会の冒頭で、市長が施政方針でおっしゃられていた質の高い教育と切れ目ない子育て支援の強化という点を推進していく上でも、本市が近隣市に先駆けて給食費の無償化を実施することは大いに意味のあることだと思います。
先ほど申し上げた予算面の課題については、例えば、松戸市が実施している第2子以降に対しての無償化や、流山市が実施している第3子以降に対しての無償化といった方法や、大阪府高槻市が実施している、小学生と比べて部活動や習い事などで家計の負担が増える中学生に限定して無償化を実施するといった方法など、幾つかの対応策が考えられます。
もちろん最終的に全児童・生徒への無償化が実現できることが理想ですが、そうした家計への負担が大きいことが想定される世帯からでも、部分的に給食費の無償化を実施することも含めてご見解をお伺いいたします。
以上で1問目を終わります。

○議長(武居弘治議員) 渡邉雅人議員の質問に対する答弁を求めます。
木津雅晟市長。
〔木津雅晟市長 登壇〕

◎市長(木津雅晟) 渡邉議員のご質問にお答えいたします。
1、教育問題の1、いじめに対する取組についてのイ、市長部局の創設でございますが、いじめ問題への適切な対応に係る文部科学省通知にあります総合教育会議の活用でございますが、本市でも総合教育会議において、教育政策や教育行政の課題についての協議、調整を行い、教育委員会と連携を図っております。
また、市では無料法律相談を実施しているほか、埼玉県や各省庁、NPO法人などが設置する子ども相談窓口、法テラスなどでも法的アプローチも含めたいじめ問題解決の支援が可能であるものと承知しております。
寝屋川市の事例は承知しており、いじめ問題を短期間で判断し、解決できることや児童や教職員の問題において対応可能であることなどのメリットに対し、行政が介入、アプローチすることで、人間関係の再構築を困難にさせるという課題も確認されております。
本市といたしましては、独立性と専門性を旨とする教育委員会制度を尊重する立場上から、慎重に考慮すべきものと考えており、いじめ問題につきましては、引き続き、教育行政や関係機関との連携を深め、慎重に対応するとともに、調査研究してまいりたいと考えております。
次に、3、教育費の無償化についてのア、要因とイ、今後につきましては関連がございますので、一括してお答えいたします。
今回の無償化の事業につきましては、議員のご質問にありましたように、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用を図ったもので、これらを1年間の事業としてみますと、かなりの財源が必要となります。交付金は単年度予算ということもあり、令和5年度の給食費につきましては、学校給食法の規定に基づき、保護者のご負担を再開させていただくことといたしました。
しかし、依然として物価高騰などが続くことから、令和5年度は賄い材料費の高騰分については市が負担し、学校給食費を据え置くことで子育て世帯の経済的負担を軽減してまいります。

○議長(武居弘治議員) 大塚正樹教育長。
〔大塚正樹教育長 登壇〕

◎教育長(大塚正樹) 渡邉議員のご質問にお答えいたします。
私からは、1、教育問題、1、いじめに対する取り組みについて、ア、今後の方針について総論を述べ、詳細については担当部長をして答弁いたさせます。
いじめは、児童・生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、心身の健全な成長や人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、生命や心身に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであり、被害児童・生徒を徹底して守り通すという断固たる決意で対応していくことが重要であると認識しております。
児童・生徒の命や安全を守ることを最優先に考え、犯罪行為として取り扱うべきいじめなど、学校だけでは対応し切れない場合は警察へ相談・通報することも必要であると考えております。
今後も児童・生徒一人ひとりの命を第一に考え、学校への指導を通していじめの未然防止、早期発見、早期対応に努めるとともに、いじめの内容を見極め、警察を含めた関係機関との連携を強化してまいります。
以上でございます。

○議長(武居弘治議員) 魚躬隆夫学校教育部長。
〔魚躬隆夫学校教育部長 登壇〕

◎学校教育部長(魚躬隆夫) 渡邉議員のご質問に順次お答えいたします。
初めに、1、教育問題、1、いじめに対する取組についてのア、今後の方針についてでございますが、教育委員会では、学校に対し、いじめ防止対策推進法に基づき、いじめの未然防止、積極的な認知、組織的な対応等、指導・助言しながら取組を進めているところでございます。
また、各学校では、児童・生徒を中心にいじめ撲滅活動に取り組み、各自がいじめ問題に向き合っております。今年度は文部科学省主催の全国いじめ問題子どもサミットに幸房小学校の代表児童3名が参加し、全国の小・中学生といじめをなくすための取組について議論してまいりました。
このような中、過日、文部科学省から発出された議員ご指摘の通知文につきましては、各校へ周知したところでございますが、学校で起こり得るいじめの事例のうち、犯罪行為や重大ないじめとして警察への相談、または通報すべき事案が発生することも考えられることから、改めて校長会や生徒指導主任を通して指導してまいります。
また、いじめの防止等に関係する機関及び団体との連携に向けた三郷市いじめ問題対策連絡協議会では、知識経験者や三郷地区更生保護女性会、吉川警察署関係課などのかたにも出席していただき、様々な視点から協議をしていただいているところでございます。
今後も教育委員会や学校、警察間で個別事案に係る日常的な情報共有や相談、通報ができるような連絡体制を一層強化してまいります。
次に、2、小・中学校生活に関わる購入品についてのア、制服、イ、ランドセルにつきましては関連がございますので、一括してお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、学校生活における購入品につきましては、保護者の負担が大きいものもあり、学校において配慮すべき事案であると認識しております。
制服につきましては、購入にかかる家庭の経済的負担を軽減するため、卒業生の家庭において不要になった制服を回収し、校内のバザー品として提供したり、学校でストックして必要な生徒に貸与したりしている事例がございます。
現在、ジェンダーレスの視点から、第3の制服導入について校長会と連携しているところであり、今後も制服の経済的負担軽減策に努めるとともに、準制服の導入につきましては、調査・研究を行ってまいります。
また、ランドセルにつきましては、登下校中の安全性、使用上の機能性や耐久性が担保されていることが重要であることから、各校においてランドセル使用に関する厳密な明文化はしていないものの、児童の多くがランドセルを使用しているのが現状でございます。
今後は、ランドセルを含めた、児童にとって適する通学用カバンについて、校長会を通じて他市町村の導入事例などを情報提供してまいります。
以上でございます。

○議長(武居弘治議員) 渡邉雅人議員。

◆6番(渡邉雅人議員) それぞれご答弁をいただきましてありがとうございました。再質問と要望をさせていただきます。
まず、いじめに対する取組についてですが、教育長からは、アの総論としていじめが児童・生徒の教育を受ける権利を著しく侵害するものであること、被害児童・生徒の生命や心身に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであると認識しており、児童・生徒一人ひとりの命を第一に考えて、警察を含めた関係諸機関との連携を強化していくということをお示しいただきました。
その上で、具体策については、部長から文部科学省の通知文について、まず各学校へ周知を行っていただいたこと、今後、教育委員会や学校、警察との間で情報共有や相談・通報ができるような連絡体制を一層強化していくといったご答弁をいただきました。
1問目でも申し上げたとおり、いじめという問題を解決していくに当たって最優先すべきは、被害児童・生徒をいじめという人権侵害から守り抜くことであるというふうに考えます。ややもすると、警察への通報などが加害児童・生徒に対して不利益となることを恐れてためらってしまったことが、被害児童・生徒の不登校や、最悪の場合、自殺という選択肢を選んでしまうといった事例も、非常に悲しいことではございますが、いまだに全国で見られます。
ぜひとも、今後より一層被害児童・生徒にとって何が最善なのかという観点から、いじめという問題に向き合っていただきますようお願い申し上げます。この点は要望です。
次に、イの市長部局の創設については、市長から寝屋川市の取組のメリットとデメリットを挙げていただいた上で、本市としては独立性と専門性が重要である、教育委員会制度を尊重して慎重に考慮すべきと考えているという趣旨のご答弁だったかと思います。
挙げていただいた寝屋川市のメリット・デメリット、こちら寝屋川市のホームページに公開されている「寝屋川モデル いじめゼロに向けた新アプローチ」から引用いただいたものかなと思いますが、こちらの資料では、従来のいじめへの対応である教育的アプローチについてもメリット・デメリットが示されており、教育的アプローチのデメリットとして、「人間関係の再構築に長期間を要する」というふうに記されております。
これを見る限り、ご答弁でおっしゃられていた行政アプローチのデメリットである人間関係の再構築を困難にさせるという点は、どちらにしても生じてしまう問題なのかなというふうに感じます。
そして、この資料には続きがございまして、そうしたメリット・デメリットがある中で、教育的アプローチと行政的アプローチの2つのルートを並走させる意義について、いじめ対応に不備がないかなどをダブルチェックできること、目的の違う2つの選択肢を示すことで、相談者が望む形の解決を選択できること、役割分担をすることで専門的な対応が可能となることという3点を示して、「どちらか1つのルートのみを強化してもデメリットの解消にならない」という言葉で締めくくられております。
市長部局を創設することが、教育に関する教育委員会の独立性や専門性を侵害するということではなくて、それぞれの役割分担を明確にして、そして被害児童・生徒にとって解決への選択肢を増やすということは大いに意義があることだと思いますので、ぜひ積極的な先進事例の情報収集、調査・研究を引き続きお願いしたいと思います。この点も要望です。
次に、小・中学校生活に関わる購入品についてです。
アの制服に関しては、現在、市内で行われている校内バザーなどの取組をご紹介していただき、そうした中で、私から提案させていただいた経済的負担の軽減という視点に加えて、ジェンダーレスの視点から第3の制服導入について、校長会と連携しているところであるといったご答弁であったかと思います。
こうした時代の流れに即した取組、大変すばらしいことであるというふうに感じるところであります。そして、そうした視点をお持ちの上でお考えいただけているということであれば、それを踏まえて1つ要望がございます。それはジェンダーレス制服、これを導入する際に、よく耳にする制服の着用自体が強制的なカミングアウトになってしまう可能性があるという点です。この点に十分ご配慮いただきたいというところです。
ジェンダーレス制服、これをLGBTQなどの性的マイノリティのかたが着るものと限定せず、機能性やデザイン性、こういったものを理由として、誰でも自由に選択ができるようにすることであったり、あとは子どもたちが偏見を持たないようにセクシャルマイノリティであったり、ジェンダーレス制服について知る機会をつくることが非常に重要になってくると思いますので、そうした点も十分に踏まえた検討をよろしくお願い申し上げます。
そして、その際には新たな標準制服を指定しなければならないという考えにこだわることなく、準制服という選択肢もあるのだということ、特に、1問目でご紹介した鳥羽東中学校では、この制服にもジェンダーレスなどの、いわゆる多様化が必要であるという視点から、ご紹介したような導入事例につながったという背景もあるようでございますので、ぜひそうした先進事例を参考にしていただきますようお願い申し上げます。
そして、イのランドセルについては、安全性や機能性、耐久性から、厳密な明文化はしていないが、児童の多くがランドセルを使用している現状であるということ、そして今後はランドセルを含め、児童にとって適する通学用カバンについての他市町村での導入事例などを校長会を通じて情報提供していっていただけるといったお話でございました。
1問目でご紹介したようなランドセルと遜色ない品質の商品が、保護者や児童にとっての選択肢となり得るのだよということはもちろん、また先月、新聞などのメディアで取り上げられておりましたが、日本初となるランドセルの定額サブスクリプションサービスといった選択肢も現在はございます。
それぞれの家庭がそれぞれの事情に合わせた選択を取れることは非常に重要であるというふうに思いますので、こうした選択肢をしっかりと保護者、そして児童に周知をしていっていただきますようよろしくお願いを申し上げます。この点も要望です。
最後に、給食費の無償化についてです。
アの要因と、イの今後について、一括でご答弁をいただきました。国からの臨時交付金の期間が終わる4月以降、市で予算を確保するためにはかなりの財源が必要なんですよということ。そして、そのため学校給食法の規定に基づき、保護者負担を再開していくことになったという2点が大きく要因であったかと思います。
そして、今後については、令和5年度の取組として、物価高などを原因とする賄い材料費の高騰分、これを市が負担することで、子育て世帯の経済的負担の軽減を実施していくといったお話でございました。
まず、要因の部分でおっしゃられていた学校給食法の規定に関してなんですが、この点については、過去に給食費の無償化が一般質問の場などで取り上げられるたびに、市長がご答弁で触れてきていらっしゃいました。
また、昨日の請願に対する討論の中でも、このことに触れているかたがおられましたが、この学校給食法についてきちんと調べてまいりますと、実は、この規定は学校給食費を保護者が必ず負担しなければならないと定めているものではないんですね。
学校給食法公布の約4か月後に発出された学校給食法並びに同法施行令等の施行についてという通達の中で、「経費の負担等」という項目に、「学校給食の実施に必要な経費は、原則として、小学校等の設置者と給食を受ける児童の保護者とがそれぞれ分担することを定めた」という内容に加えまして、「これらの規定は経費の負担区分を明らかにしたもので、たとえば保護者の経済的負担の現状からみて、地方公共団体、学校法人その他の者が、児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない」ということが記されています。
1問目でご紹介した坂戸市に聞き取りを行ったところ、この通達の内容を根拠として、学校給食の無償化は学校給食法上の規定に反するものではないとの判断で実施に踏み切ったそうです。実際に、本市においても時限的にとはいえ、学校給食費の無償化を昨年度実施しているわけでございます。
ですので、これまでおっしゃられてきた学校給食法の規定に基づき保護者負担をお願いしたいという要因は、解消可能なものなのではないかなというふうに考えます。
そして、今後の部分でおっしゃられた物価高などを原因とする賄い材料費高騰分を市が負担するということは、今できることを実行していくという点からは、非常に保護者のかたにとってもありがたいことだと思います。そして、少なくとも給食費という負担に対して、本市が多少なりとも予算を割けるということの証左でもあるのかなというふうに感じています。
以上を踏まえて、市長に再質問をいたします。長引くロシアによるウクライナへの軍事侵攻などを原因とするこの物価高騰がいつ落ち着くかというのはいまだ見通しが立ちませんが、将来的に、少なくとも今回、賄い材料費高騰分の負担として予算に計上した金額、こちらは令和5年度当初予算実施事業の資料を見る限り、4,233万7,000円ということでしたが、この金額に関しては賄い材料費の上昇が落ち着いた段階以降の予算において、給食費の無償化へと充当可能という理解でよろしいでしょうか。
金額が小さいので、1問目で申し上げた第2子や第3子からの無償化や中学校のみの無償化、あるいは、全額ではなくとも一部給食費は市が負担するという方法など、やり方は工夫する必要があるとは思いますが、最終的な目標である全ての児童・生徒に対しての給食費の無償化への第一歩としてのお考えを、先ほどご紹介した学校給食法並びに同法施行令等の施行についての内容も踏まえた上でお答えください。
以上で2問目を終わります。

○議長(武居弘治議員) 渡邉雅人議員の2問目に対する答弁を求めます。
木津雅晟市長。

◎市長(木津雅晟) 再度のご質問にお答えいたします。
給食費の無償化等についてでございますが、今回の物価高騰支援事業費を今後の無償化等の財源に充当することにつきましては、子育て施策を総合的に推進していく観点から、引き続き、国・県などの動向を注視しつつ、経済情勢の推移、景気の状況を見極め、判断してまいりたいと思います。

○議長(武居弘治議員) 以上で渡邉雅人議員の質問を終わります。

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