1福祉施策
1.意思疎通支援について
ア.入院患者への支援
イ.失語症の方への支援
2教育問題
1.学校給食費の無償化について
ア.学校給食法
イ.予算
ウ.国の動向に対する考え
△渡邉雅人議員
○議長(鈴木深太郎議員) 通告第9、6番、渡邉雅人議員。
〔6番 渡邉雅人議員 登壇〕
◆6番(渡邉雅人議員) それでは、通告に従いまして順次質問をしてまいります。
まず、意思疎通支援についてです。
この問題については、高次脳機能障がい者に対する支援の推進という質問を皮切りとして、複数回にわたって、その重要性や必要性を提起してまいりました。直近の質問となる令和3年12月定例議会における質問では、現状は聴覚障がい者のかたに対する意思疎通支援に対する指針や思いを示した「三郷市こころつながる手話言語条例」のような条例があるものの、その対象者を様々な障がいや病気によって意思疎通支援を必要としているかたへと広げた意思疎通支援条例として制定することで、市として支援を推進していくという姿勢を示すべきであると提案をさせていただきました。
その後、今日まで条例の制定には至っていないものの、昨年の12月26日から本年1月30日までパブリックコメントが実施されていた三郷市障がい者計画、第7期三郷市障がい福祉計画、第3期三郷市障がい児福祉計画、この案における第4章、施策の展開の中で、情報のバリアフリー化の推進として、意思疎通支援の推進が掲げられており、その中では知的障がいや発達障がい、高次脳機能障がいなど、それぞれの障がい特性に合わせた効果的な意思疎通支援手段について、その具体化に向けて検討を進めると示していただいております。これは、当時の質問で提案をさせていただいた趣旨に沿うものであり、一歩ずつ施策が進展しておりますことに感謝を申し上げます。
そこで、今回はこの計画に記していただいた「具体化に向けて」という点に焦点を当てて、2点質問をいたします。
まず、アの入院患者への支援についてです。
平時においても、意思疎通支援を必要とするかたへ必要な支援が届くことはもちろん重要なのですが、入院時には毎日の健康状態の確認や急な容体の変化による治療の説明や同意などのように、直接命にかかわる可能性がある意思疎通への支援は、より重要度が増します。そのため、こうした入院時における意思疎通支援について、厚生労働省から平成28年に「特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について」という通知が発出されています。この通知の中では、「支援者」を「入院前から支援を行っている等、当該患者へのコミュニケーション支援に熟知しているかた」と定義がされております。ご家族など、身近なかたがこうした条件を満たし、なおかつ入院時も常に付き添えるような環境にあるという場合は、そうしたかたに支援をお願いすることが可能だと思いますが、現実的にはそれが難しいという状況にあるかたも一定数いるであろうということが想定されます。
こうした状況から、現在多くの自治体で支援者の派遣に対するサポートが実施をされています。県内においては、例えば行田市では「入院時コミュニケーション支援事業」として、医療機関に入院した場合に障がい者との意思の疎通に熟練したかたをコミュニケーション支援員として派遣するという事業を実施しております。派遣期間は、更新を行うことで最大1年6か月まで可能で、派遣費用の自己負担額は1割と設定がされております。
この事業の実施に係る費用は、それほど大きいものではなく、自己負担額などに細かい違いはあるものの、同種の事業を実施している鴻巣市では令和5年度予算への計上金額が3万5,000円となっております。
以上のことを踏まえ、本市においても意思疎通への支援を必要とされるかたが入院をした際に支援員の派遣などの事業を実施するべきであると考えますが、ご見解をお聞かせください。
次に、イの失語症のかたへの支援についてです。
交通事故や転倒などによる脳の外傷や脳梗塞、脳内出血などの脳の血管に起こる病気によって大脳の言語をつかさどる部分が損傷することで起こる言語障害の一種である失語症は、損傷を受けた脳の場所や損傷の大きさによって、伝えたい言葉がうまく出てこない、文字や文が読めない、書けない、理解できないなど、具体的な症状が多様であるため、それぞれの症状により必要な支援が変わってきます。こうした失語症のかたへの意思疎通支援については、現在支援者の養成は少しずつ進展が見られるものの、支援者の派遣という面ではまだまだ足りない点が多いというのが実情です。
そのため、昨年の2月には失語症のかたがさいたま市に対して失語症者への支援者派遣などを求める要望書を提出したことが報道されており、その記事の中では埼玉県内で養成された支援者が記事の時点で22人いるものの、当事者につながった例はまだないということも掲載がされておりました。こうした状況を受けて、埼玉県においては令和6年度から実施される第7期埼玉県障害者支援計画の案の中で、失語症者のコミュニケーション手段を確保するため、失語症者に対する意思疎通支援者の養成を行うとともに、派遣を行う市町村を支援するということが示されております。
そこで、こうした県から市町村への支援も活用し、失語症のかたに対する意思疎通支援者の派遣などの施策を実施することについてご見解をお伺いいたします。
次に、学校給食費の無償化についてです。
皆様もご承知のとおり、昨年の3月定例議会に続き、本定例議会においても学校給食費の無償化実施を求める趣旨の請願書が提出をされました。一昨日行われた採決では、私を含めた21世紀クラブ所属の議員をはじめとした賛成者が9名であったのに対して、反対者が14名と大変残念なことに昨年に引き続き不採択となってしまいました。
しかしながら、昨年も不採択となった後の一般質問において、学校給食費の無償化を求める内容の質問をさせていただいており、更には昨年11月に21世紀クラブから市へと提出いたしました令和6年度三郷市予算編成並びに施策に対する重点要望事項においても、市の財源を活用した学校給食費の無償化実施を盛り込むなど、この課題は本市における教育環境、子育て環境の更なる発展に大きくかかわるものであると捉えておりますので、引き続き取り上げてまいりたいと考えております。
以上のことを踏まえ、本市における学校給食費の展望についてお伺いしてまいりますが、これまで複数の議員から無償化に関する提案がなされてきました。しかし、残念ながらその度に市からはなかなか前向きな方針が示されておりません。
そこで、改めて過去の一般質問におけるご答弁なども踏まえ、何が実施に対する障壁となっているのか、その障壁は乗り越えることはできない内容なのかという点を一つずつ確認をさせていただきます。
それでは、アの学校給食法から伺います。
学校給食費の無償化を求める質問が取り上げられる度に、学校給食法では給食費は児童または生徒の保護者が負担することになっているというご答弁が繰り返されてきております。ただ、昨年の3月定例議会における私の一般質問でも、学校給食費の無償化について取り上げた際に申し上げましたが、この学校給食法の記載事項については、その後に発出がされた「学校給食法並びに同法施行令等の施行について」という通達文の中で、学校給食費は保護者が必ず負担しなければならないと定めているものではないということが示されております。自治体の独自施策として、学校給食費の無償化を実施する市町村が増え続けていることが、正にその証左であると思います。
そこで、本市においては、この学校給食法と「学校給食法並びに同法施行令等の施行について」、このそれぞれの記載事項をどのように解釈しているのか、ご見解を詳細にお示しください。
次に、イの予算についてです。
この点については、昨年の質問の際に給食費の無償化を1年間の事業として見ると、かなりの財源が必要となる。そして、令和5年度は物価高騰の影響を鑑みて、賄い材料費の高騰分については市が負担し、学校給食費を据え置くこととしたといったご答弁をいただいております。全ての児童・生徒を対象とした時に、多額の財源が必要となるということはおっしゃるとおりかと思います。そのため、昨年の質問の際には最終的には全児童・生徒を対象とした無償化を実現すべきであることを前提とはしつつも、一部の市町村で実施されているような経済的負担が大きい世帯に対象を絞り、段階的な実施を目指してはどうかというご提案をさせていただきました。
例えば、多子世帯における第3子以降を対象とした場合、想定される予算額は約2,000万円であると、昨年6月の議会でおっしゃられております。この金額に対して、令和5年度に本市が負担した賄い材料費の高騰分については予算額が4,233万7,000円、そして先日実施されました文教経済常任委員会における質疑では、令和6年度予算における賄い材料費高騰分の本市負担は約1億円であるとのことでございました。この金額を比較する限り、仮定の話ではありますが、ある程度物価高騰が落ち着いた際には第3子以降の無償化を実施するということは十分可能なのではないかと思いますが、どのようにお考えかお聞かせをください。
最後に、ウの国の動向に対する考えについてです。
この点についても、昨年の6月定例議会における答弁を取り上げますが、国において公表された「こども未来戦略方針」の素案の中に、学校給食費の無償化実現に向けて実態調査を速やかに行い、その上で課題の整理を行うことが盛り込まれており、今後国における調査等が進むものと捉えているため、引き続き国・県などの動向を注視するといった内容に言及をされておりました。
この「こども未来戦略方針」では、実態調査については速やかに行い、1年以内にその結果を公表すると期限が明記をされているものの、無償化の実施時期については明記がされておらず、課題の整理を丁寧に行い、具体的方策を検討するという表現のみにとどまっております。
こうした内容を見る限り、国任せにしていては、いつ無償化がスタートをするのか、そもそも本当にこの無償化が実現をするのかすら不透明な状態と言わざるを得ません。だからこそ、国の「こども未来戦略方針」が発表されて以降も、独自に無償化実施を決定した自治体が現れているのだと思います。
そこで、本市においてはあくまで国による学校給食費の無償化実施を待つという考えなのか、それとも学校給食法や予算面といった課題が仮に解決できた場合は、市の独自施策として実施していこうという考えなのか、ここについてのご見解をお伺いいたします。
以上で1問目を終わります。
○議長(鈴木深太郎議員) 渡邉雅人議員の質問に対する答弁を求めます。
横田隆宏福祉部長。
〔横田隆宏福祉部長 登壇〕
◎福祉部長(横田隆宏) 渡邉議員の1、福祉施策の1、意思疎通支援についてのご質問に順次お答えいたします。
初めに、ア、入院患者への支援についてでございますが、意思疎通支援事業の対象者は聴覚障がいに限らず、知的障がいや視覚障がい、高次脳機能障がい、発達障がいや失語症のかたなどであり、個々の障がいに合わせた支援の充実については検討課題であると認識しております。
意思疎通に支援を必要とする障がい者が医療機関に入院した際に、家族による支援ができない場合、医療従事者との意思疎通を補助する支援員を派遣することにより、円滑な医療行為が受けられたり、障がい者自身の不安軽減などの効果が期待されるものと思われます。
今後、先進自治体の取組を参考にするとともに、障がい者団体を通じて支援者のほか、障がい当事者に聞き取りを調査を行うなどしてニーズを踏まえ、入院中の意思疎通支援の必要性の把握に努めてまいります。
次に、イ、失語症のかたへの支援についてでございますが、「失語症者向け意思疎通支援者養成研修事業」と「失語症者向け意思疎通支援者派遣事業」は、県が行うべき事業として、障がい者総合支援法の地域生活支援事業として定められており、議員ご案内のとおり第7期埼玉県障害者支援計画(案)に新たな施策として「失語症者のコミュニケーション手段の確保」に関する記載がされております。県が実施する事業が具体的にどのような形で市町村支援に及ぶのか、またその活用方法も含めて埼玉県の動向を注視するとともに、市の障がい者計画にも施策の方向として「情報のバリアフリー化の推進」として掲載しておりますので、失語症者のかたへの支援について調査研究を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(鈴木深太郎議員) 木津雅晟市長。
〔木津雅晟市長 登壇〕
◎市長(木津雅晟) 渡邉議員のご質問にお答えいたします。
2の教育問題の1、学校給食費の無償化についてのア、学校給食法についてお答えをいたします。
学校給食法の趣旨といたしましては、「保護者から給食費をご負担いただくことが立法の基本想定であること」と解釈をしております。
また、学校給食法並びに同法施行令につきましては、「保護者の経済的負担の現状からみて、地方公共団体、学校法人その他の者が、児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない」と解釈をしております。
次に、イ、予算及びウの国の動向に対する考えはについては関連がございますので、一括してお答えいたします。
現在、本市では保護者の経済的負担の現状に鑑み、賄い材料費の物価高騰分を市が補填し、給食費を値上げせずに据え置いており、給食費の納付が困難な家庭につきましては就学援助制度により支援をしております。このほかの主な子育て施策といたしまして、既にこども医療費の対象を拡大し、4月にはこども家庭センターを設置し、更なる子育て支援に取り組んでまいります。
議員からは、物価高騰が落ち着いた際の第3子以降の無償化についてのご質問でございますが、限りある予算の中、まちづくり全体のバランスに配慮し、事業を決定するものであり、限定した施策の実施に当たっては慎重に検討する必要があると考えております。
小・中学校の学校給食費の無償化については、国として恒久的かつ全国一律で行われるべきと考えており、この度市といたしましては全国市長会を通して要望を提出したところでございます。
また、国による学校給食費無償化の実現に向けた実態調査の結果が6月までに公表されるとのことでございますので、引き続き国の動向を注視してまいります。
○議長(鈴木深太郎議員) 渡邉雅人議員の2問目の質問を残して暫時休憩いたします。
△休憩 午前11時55分
△再開 午後1時00分
○副議長(篠田正巳議員) 再開いたします。休憩前に引き続き会議を開きます。
渡邉雅人議員。
◆6番(渡邉雅人議員) それぞれご答弁をいただきまして、ありがとうございました。再質問と要望をさせていただきます。
初めに、意思疎通支援についてです。
意思疎通支援というと、特殊な病気だったりとか、障がいを持ったかたに必要なものというイメージをお持ちのかたもいらっしゃるかもしれません。しかし、例えば高次脳機能障がいを例にすると、その原因となるのは脳梗塞や脳出血だったり、くも膜下出血といった、いわゆる3大疾病の一つである脳血管疾患であったり、あとは交通事故などによる脳への外傷などというふうになっています。私たち一人ひとりが、いつ当事者になって意思疎通支援を必要とする状況になっても不思議ではないというのが実情だと思います。
そのことの分かりやすい事例として、東京都の文京区で2期区議会議員を務められたかたのことを少しご紹介をさせていただきます。このかたは、2期目の途中である2016年の夏に街頭演説中に脳出血で倒れたそうです。意識不明で救急搬送されたということです。緊急手術によって一命は取り留めたものの、高次脳機能障がいとなって記憶障がいや精神障がいといった症状が出るようになったそうです。2017年には議会に復帰をされたものの、意思疎通支援を含めて様々なサポートが必要となり、ご苦労も多かったということでした。その後、このことだけが原因かは分かりませんが、改選だった2019年のタイミングで区議会議員をご勇退なされておられます。このことからも、意思疎通支援が必要な状況には誰しもなり得るんだと思うんです。私たちも自分ごととして考えたほうがいいのではないかなと。そして、本当に様々な場面で意思疎通支援が必要となることが分かります。
今回、他市での事例が具体的に進んでいるものから2点取り上げてご提案をいたしましたが、一つ一つ取組が進むことで、本市における意思疎通支援に関する施策が充実をしていくことを切に願っております。
それでは、改めて今回取り上げた具体的な事例に入らせていただきます。アの入院患者への支援については、意思疎通支援員の派遣が円滑に医療行為を受けることや障がいをお持ちのかたへの不安軽減につながるといった効果が期待されるという見解の下で、先進自治体の取組だったり、参考にしていくことであったりとか、障がい者団体を通じて支援者や障がい当事者への聞き取りなどを行っていっていただけるということについて言及をいただきました。
当事者の方々への聞き取りという点に触れていただけたことは、大変心強く感じております。1問目でも申し上げたとおり、意思疎通支援を必要とされているかたが抱える障がいであったり、病気だったり、様々なものがございます。こうした方々への支援を、それぞれの障がいや病気ごとに適切に実施をしていくためには、当事者のかたの声を参考にして取り入れていくということは必須なのではないかなというふうに思います。是非、今後積極的にそうした聞き取りを進めていただいて、これも1問目でも申し上げましたが、意思疎通支援を必要とする入院患者のかたへの支援というのは、直接命にかかわる可能性がある場面における支援でございますので、早期に環境を整えていただきますようお願いを申し上げます。この点は要望です。
そして、イの失語症のかたへの支援については、県の計画案に記されている県から市町村への支援内容がどういった内容になるのかと。そして、その内容をどのように活用できるのかという点をまずは注視をして、失語症のかたへの支援について調査研究をしていくと、そういったお話でございました。県から市町村に対する支援内容の具体化に関しては、これから明らかになっていくということかと私も捉えておりますので、是非その内容が明らかになった際には、支援内容をフル活用していただいて、こちらについても早期に環境を整えていただきたいと思います。
そのための参考として、既に失語症のかたへの支援について具体的に取組を始めておられる流山市の事例をご紹介をさせていただきます。流山市では、失語症者向け支援者派遣を流山市在住の失語症と診断されたかた個人と、失語症のあるかたが属している流山市に活動の拠点を置く団体を対象として実施をされています。利用料は無料となっていて、派遣の対象となる活動は通院だったり買い物だったり、あとは市役所での手続といった日常生活における活動を幅広く対象としているようでございます。県から市町村に対しての支援内容が明らかになった際に、速やかに本市におけるこうした失語症のかたへの支援がスタートできるように、こうした先進事例の研究、そしてこちらに関しても当事者の方々への聞き取りなどを早期に進めていただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。この点についても要望です。
次に、学校給食費の無償化についてでございます。
アの学校給食法については、学校給食法では保護者から給食費をご負担いただくことが立法の基本想定と解釈していると。そして、「学校給食法並びに同法施行令等の施行について」に関しては、「保護者の経済的負担の現状からみて、地方公共団体、学校法人その他の者が、児童の給食費の一部を補助するような場合を禁止する意図ではない」と解釈しているという、通達文の内容を引用してお答えをいただきました。原文そのままの引用なので、解釈なのかなというと疑問が残るところもあるんですが、言葉どおり受け取らせていただくと、少なくとも市が学校給食費の一部を負担することについて問題はないと捉えていらっしゃると認識をさせていただきます。
この法制度の解釈という点、自治体が施策を実行していく上で最も留意しなければならない項目の一つであると思いますし、今後の学校給食費の無償化に関する疑問の中で大前提となる見解として、私も改めてこの点を共有させていただくことができましたので、ご明言をいただいてありがとうございました。
ただ、1点、ご答弁をいただいた内容で気になる点がございましたので、再質問として市長にお伺いをいたします。
ご答弁の中で、「学校給食法並びに同法施行令等の施行について」の解釈の中に「一部」という文言がございます。一部という表現をそのまま受け取ると、保護者の負担を全て市が担うという学校給食費の無償化を実施するためには、この文言だけでそういう判断をするのは難しいのではないかなというふうに感じております。
ただ一方で、昨年の質問でも申し上げたとおり、この通達の内容を根拠に無償化に踏み切った自治体もあるようです。そこで、この一部という文言がある中でも、無償化の実施に至っている自治体があるという点をどのように捉えていらっしゃるのかご見解をお聞かせください。
次に、イの予算とウの国の動向に対する考えについては一括でご答弁をいただきました。イの予算に関しては、現状の学校給食費に関する支援状況だったり、あとはほかの子育て支援施策を改めてご紹介していただきながら、お伺いした現在賄い材料費の高騰分に対する支援に充てている金額については、物価高騰が落ち着いた段階で第3子以降の学校給食費無償化を実施するということに充てることができるのではないですかという点について、こちらについては限りある予算の中でまちづくり全体のバランスを考えて事業を決定していかなければならない、そのため限定した施策の実施に当たっては慎重に検討する必要があるという趣旨のお答えでございました。
本市において、今後取組むべき施策が多くある中で、どこに予算を振り分けて実行していくのかは慎重に検討をしなければならないということはおっしゃるとおりだと思います。そして、本市の行っている施策の多くは対象を限定した施策です。子育て支援、福祉施策、生活困窮者支援などなど、その中の一つ一つの事業を見ていけば、本当にここでは挙げ切れないほどの対象を限定した施策がございます。そのため、つまるところ、それらの施策にどのように優先度をつけて進めていくのかということが大切になってくるんだろうなというふうに思っております。
高齢化や地域経済の振興、防災対策など、解決しなければならない課題、取り組むべき施策は多岐にわたります。そういったものの中でも、少子化という本市に限らず、全国的な社会課題に対して、現在この課題に対する施策のある種、象徴のようになっている学校給食費の無償化について、本市がどのようなスタンスで臨むのかというのが、今、正に問われているんだろうなというふうに思っております。
昨日の加藤英泉議員の質問に対するご答弁で、市長が「こどもまんなか応援サポーター」を宣言している本市は、子どもをまんなかに据えたまちづくりを進めていくという趣旨の言葉を力強くおっしゃっておられましたので、是非この課題については優先度を高く位置づけていただいて、今後検討を進めていただければというふうに思っております。
また、本市は令和6年度の予算編成で過去最高の580億5,000万円という予算を計上し、昨年度よりも19億5,000万円という金額が増額になっております。この成長を続ける本市だからこそ、埼玉県東部地域の先頭に立って、この学校給食費の無償化といった施策、実現していくべきではないかなというふうに思いますので、是非ともこの点について、もう一度市長のお気持ちをお伺いできればと思います。
最後に、ウの国の動向に対する考えについては、三郷市として全国市長会を通して要望を提出したと、そして国における実態調査の結果が6月までに公表される予定であることから、今後も国の動向を注視していくということでした。実態調査の結果発表については、私も注目しているところではありますが、あくまで調査結果が発表されるということでありますので、その段階で国において給食費無償化の実施について方針が明確化されるかどうかは不透明であるということを懸念をしております。
例えば、国の発表内容が調査結果を踏まえて引き続き慎重に検討をしてまいりますといったものである可能性もある中で、国の動向を注視するというだけにとどまるのは少し残念だなといった思いがございます。学校給食費の無償化は国がやるべき事業だから、市としては単独での事業実施ではなくて、国に要望をして実現を目指すべきだといった意見はよく耳にします。一昨日の請願に対する反対討論でも、似たようなお話が出ておりましたけれども、これはどちらか一方の方向性しか選択できないという話ではなくて、どちらも推進していけばいいのではないかなというふうに考えております。
学校給食費の無償化が本来、国において実現すべき施策であるという点は私も異論はございません。ただ、当事者である児童・生徒であったり、保護者のかたにとっては無償化実施へかじを取った自治体が増えてきている中で、本市では実施主体がどこであるべきかという論点にこだわってしまうことで、給食費の負担があり続けるというのはとても理解がしがたいものなのではないかなというふうに思います。
そこで、これも市長に再度お伺いをいたしますが、市での学校給食費の無償化実施を目指すことと、国に対して無償化実施を求めることを両輪で同時並行で進めていくということが望ましい施策の方向性なのではないかと考えますので、この点についてもお考えをお聞かせください。
以上で2問目を終わります。
○副議長(篠田正巳議員) 渡邉雅人議員の2問目に対する答弁を求めます。
木津雅晟市長。
〔木津雅晟市長 登壇〕
◎市長(木津雅晟) 再度の質問にお答えいたします。
無償化の実施に至っている自治体があるという点についての見解ということでございますが、1問目で答弁いたしました給食法並びに同法施行令の解釈に従い、実施自治体が判断したものと考えております。
次に、歳入増を給食費無償化の予算に優先的に充てることについてでございますが、現在も多くの子育て施策を実施しております。特定の施策の実施に当たっては、慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、市の無償化の実施について、国への要望と同時に並行すべきではないかということでございますが、こちらも繰り返しになりますが、私は小・中学校の学校給食費無償化について国として恒久的かつ全国一律で行われるべきと考えておりますことから、市として全国市長会を通じ、要望を提出しているところでございます。給食費に対する自治体の支援につきましては、今後は国の動向に注視し、社会情勢やまちづくり全体のバランスに配慮して判断してまいります。
○副議長(篠田正巳議員) 以上で渡邉雅人議員の質問を終わります。
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