1ひきこもり支援について
1.ひきこもりの実態調査について
ア.現状の年代別人数について
イ.ひきこもり年数について
2.ひきこもりの方々の居場所づくりについて
ア.市施設の有効活用について
3.ひきこもり啓発講座について
2いじめ対策について
1.いじめ・不登校に対する取り組みについて
2.いじめ対策の教育委員会以外での対応について
3.いじめ自死遺族の対応について
ア.死別に寄り添う「カフェの設置」について
3高齢者の障がい者サポートについて
1.障がい者の高齢化が進む中、行政としてのサポートのあり方について
△柳瀬勝彦議員
○議長(鈴木深太郎議員) 通告第6、14番、柳瀬勝彦議員。
〔14番 柳瀬勝彦議員 登壇〕
◆14番(柳瀬勝彦議員) おはようございます。議長より発言のお許しをいただきましたので、通告書に基づきまして、ただいまより一般質問を順次始めさせていただきます。
今回は、ひきこもり支援、いじめ対策、高齢者の障がい者サポートの大きく3つについて質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
1として、ひきこもりの実態調査について伺います。
5月15日に健康福祉常任委員会の行政視察で兵庫県赤穂市に伺い、ひきこもり対策推進事業について学んできました。赤穂市では、市の社会福祉課と社会福祉協議会が連携して、ひきこもり対策を行っています。
ひきこもりの実態把握は、とても難しい問題だと思います。精神疾患などで医療施設に通院している場合や、障がい者手帳などがあり、市とのつながりがある人しか実態把握ができないのが現状だと思います。
しかし、実態把握ができないと、どれくらいの人たちに対する支援をするのか、必要な人材、人数についても計画も予算も立てることができません。
赤穂市では、民生委員の方々から聞き取り調査を行い、市役所との関わりが少ない方々のひきこもり実態把握をする努力をしているそうです。また、ひきこもり当事者やその家族による当事者組織の結成、居場所の開設やボランティアの養成など、関係機関と連携しながらひきこもり当事者とその家族に寄り添うということでした。
外出しづらく、ひきこもり状態であるかたの家族を対象に、日々の疑問や不安などを共有することで、少しでも心の負担を軽減するために、ひきこもり家族のつどいを開催しています。赤穂市では、15歳から39歳までと40歳から64歳の2つに分類し、内閣府が令和5年3月に行った「こども・若者の意識と生活に関する調査」から推計値を出し、ひきこもり状態にあるかたの数を実態調査から概算設定値を算出していました。
三郷市におけるひきこもり実態調査について、アとして年代別人数について、イとしてひきこもりの年数について、最長だとどれくらいになるのかも併せて教えてください。福祉部長に伺います。
2として、ひきこもりの方々の居場所づくりについて伺います。
赤穂市では、外出しづらい、社会と関わることに不安があるなどの状態のかた、またはその家族が自分の家のように自由に過ごすことができる地域の居場所“みんなのいえ”を開設して、ひきこもり支援を行っています。古民家の空き家を利用し、リフォームしてみんなのいえをつくりました。古民家や空き家を利用することはとても良いアイデアですが、借り上げ費用やリフォーム費用、そして維持管理費用がかかります。三郷市には青少年ホームや希望の郷交流センター、ピアラシティ交流センターなど、多くの市施設があります。ひきこもり支援のプログラムを巡回で多くの市施設で行うことにより、市内各所のひきこもりの方々の居場所とすることができ、参加者を増やすこともできるかもしれません。
みんなのいえでは、ひきこもり家族の集い、お菓子作りに興味のあるかたを中心にみんなのいえカフェ、女子会、映画観賞会など、いろいろな工夫をして開催していました。市施設を使い、運営を社会福祉協議会に委託し、公設民営でひきこもりの方々の居場所づくりを実現していただきたいと思いますが、福祉部長のお考えをお聞かせください。
3として、ひきこもり啓発講座についてです。
ひきこもり状態にあるかたやその家族、居場所など、ひきこもりに対する理解のあるかたを地域の中で増やすことを目的として開催しています。まず初めに、スタッフを増やすために、ひきこもり支援ボランティア養成講座を何回か開催し、支援ボランティアを登録していただきます。その後、ひきこもり啓発講座やひきこもり啓発フォーラムを開催しています。三郷市では、ひきこもりの実態把握などが難しい状態ですので、啓発講座を積極的に行うことで困っている市民の方々の相談する機会をつくることも必要だと思います。啓発講座開催についてのお考えをお聞かせください。福祉部長にお伺いします。
次は2として、いじめ対策について伺います。
ひきこもりになるきっかけの多くは、義務教育時代のいじめなどによる不登校が多くの原因と視察先で伺いました。いじめ問題については、多くの議員が取り上げておりますが、今回もあえて一般質問をさせていただきます。
市民の方々から、いじめ相談を受けますが、問題解決はとても難しく、なかなか前に進みません。最終的に、いじめられた子が転校するということで解決する事例も散見されます。令和5年9月11日に出された文部科学省の資料を見ると、いじめ認知件数は61万5,351件、重大事態の発生件数は706件と増えており、国の支援としてスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置充実や教育行政に係る法務相談体制の整備などがありました。今年度の三郷市のいじめ・不登校に対する取組について、教育長に伺います。
2-2として、いじめ対策の教育委員会以外での対応について伺います。
こども家庭庁では、学校外からのアプローチによるいじめ防止対策やいじめ調査アドバイザーによる第三者の確保をするために、令和6年度で2億900万円の予算を要求しており、文部科学省では誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校・いじめ対策の推進として、令和6年度は114億円の予算を要求しております。
令和2年3月の定例会と令和5年3月に渡邉雅人議員が取り上げていました。質問と答弁の一部を引用させていただきます。
大阪府寝屋川市におけるいじめ対策に対する取組が全国的にも大きく報じられました。監察課がいじめの相談や通報などが入った初期段階から関与できるようにし、被害者や保護者、学校に聞き取り調査を行い、学校へ勧告できることになりました。
さらに、それでも解決できず、加害者に問題があると判断した場合、加害者の出席停止やクラス替えなどを監察課から教育委員会、そして学校に勧告。それでも解決しない場合には賠償請求など、民事訴訟の支援や警察への告訴支援を行い、弁護士の相談料や告訴費用の一部を補助するといった仕組みを整えたということでございます。
この質問に対し、答弁では、いじめ防止の対策はいじめが全ての児童等に関する問題であることを鑑み、児童等が安心して学習、その他の活動に取組むことができるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを旨として行わなければならないと認識しております。
三郷市のいじめ防止のための基本的な方針では、いじめの重大事態が発生した場合においては、教育委員会の附属機関として教育、法律、心理等についての専門知識、経験を有する委員で構成する三郷市いじめ問題調査委員会が調査・審議することになっています。さらに、再調査が必要な場合は市長の附属機関として当該事案と利害関係を有しない第三者による三郷市いじめ問題再調査委員会を設置することが定められており、いじめの未然防止を図るために教育環境を充実させていくことが教育委員会の責務であると考えておりますという回答がございました。
あれから4年がたち、どのような改善がなされているのか、本当にいじめ問題の解決はされているのか、市民感覚ではあまり進展をしていないように感じております。働き方改革などで忙しい先生方にいじめ問題を任せるのではなく、教育委員会以外の部署に寝屋川市の監察課のように、実績を出している先進事例から学ぶことで三郷市でのいじめ対策も検討すべきと考えております。監察課は教育的な指導による人間関係の再構築を目的とした教育的アプローチと、いじめを人権問題として捉え、被害者と加害者の概念を用い、いじめを即時に停止させる行政的アプローチを確立させています。この2つのルートを確保していることで、こどもたちや保護者の方々が望む形の解決を選択でき、いじめの早期解決と抑止が図られています。市民の一人である被害児童・生徒を「いじめ」という人権侵害から守るために、被害者保護を最優先とすることを趣旨とし、教育的アプローチとは別の視点から対応する新しい監察課のような部署が必要と考えております。
三郷市として、教育委員会以外の設置の在り方や各担当部署の役割についてなどのお考えを企画政策部長にお伺いいたします。
2-3として、いじめ自死遺族の対応について。ア、死別に寄り添う「カフェの設置」について伺います。
昨年の9月の一般質問でも自死遺族支援を取り上げましたが、私の知るところでは三郷市でいじめを苦に自殺したこどもはいないと認識しております。しかし、家族やパートナーなど大切な人を亡くした人に寄り添い、支援する「グリーフ(悲しみ)サポート」に長男をいじめによる自殺で亡くした森美加さんが取り組んでいます。今も胸に抱える自身の喪失感や自責の念とともに向き合いながら、歩みを進めているそうです。二度と悲劇が繰り返されないようにと、各地での講演も引き受けるようになりました。「グリーフサポート」の存在を知り、参加したのが16年の春。「悲しみを乗り越えるのではなく、折り合っていけば楽だという気持ちになれた」ということです。自分でも同じような境遇の人たちが集まれる場所をつくろうと、17年の1月、東京都港区にNPO法人を設立。同年11月から知人のマンションで「死別カフェ」を始めました。グリーフ(悲しみ)を抱える人たちが無理せず、地域で生きていけたらいい。互いに寄り添い、支え合っていくつもりですと言っています。
市施設を使い、カフェを設置し、イベントとして定期的に行うのはいかがでしょうか。いじめの被害者や加害者も参加していただき、家族やパートナーなど大切な人を亡くした人の話を聞くことで、最悪の事態を防止することができると考えますが、市民の心の健康という取組として、いきいき健康部長にお考えを伺います。
3として、障がい者の高齢化が進む中、行政としてのサポートの在り方について伺います。
障がい者の高齢化が進み、「65歳問題」ということも話題になっております。65歳問題とは、64歳までは障害福祉サービスを利用できていたかたが65歳になると介護保険の要介護認定を受けることにより、介護保険サービスの利用が優先されてしまうことです。つまり、65歳になると介護保険サービスに移行され、現在利用している障害福祉サービスと同様のサービスがある場合は、介護保険サービスに代わるということです。
介護保険サービスが優先されると、どんな問題が起こるのか。まず、利用料金の問題がございます。介護保険サービスの利用料金は1割負担が原則です。障害者総合支援法の前身である障害者自立支援法時代に問題になったのですが、1割負担を原則としてしまうと、サービスの利用が多ければ多いほど負担額が大きくなります。負担上限月額が設定されたことで利用者の負担が改善されました。現在は、障害福祉サービスを利用する場合、サービスを利用したご本人の所得によって自己負担額を支払うか支払わないかが決まります。しかし、介護保険サービスを利用する場合、もともと障がい者に対応したサービスではないため、負担上限額が介護保険サービス独自の基準となっており、サービスを利用されるかたが生活保護でない限り、自己負担額を支払う必要があるということでございます。65歳になった障がい者は、今までの障害福祉サービスで支払っていた金額より介護保険サービスに移行した場合、負担額が大幅に増えてしまうこともございます。
次は、支援計画の制作者の変更問題でございます。
障害福祉サービスと介護保険サービスでは、プランの作成者が異なります。利用者が65歳になり相談支援専門員からケアマネジャーに変更になることで、大きなデメリットが一つ生まれます。ご本人をよく知る相談支援専門員からケアマネジャーに移行すると、サービスの調整をする人が変わるだけでなく、ご本人と相談支援専門員と築いた関係も白紙になるということです。さらに、障害福祉について詳しいケアマネジャーでない場合は、介護保険サービスをどんどん取り入れてしまい、ご本人の利用負担が知らず知らずのうちに膨らんでいくおそれがあるということです。
3番目は、事業所の変更問題がございます。障害福祉サービスの生活介護を利用されているかたであると、65歳になると介護保険サービスの通所介護の利用が優先される場合は、今まで利用していた生活介護事業所で通所介護事業の指定を受けていない場合は、今まで利用していた生活介護事業所から別の通所介護事業所に利用を変更しなければなりません。今まで慣れ親しんでいた事業所から新しい事業所に行くことは、本人に見えない負担を課すことにつながる可能性があります。
現状の課題と今後の方針について、福祉部長にお伺いいたします。
以上で1問目の質問を終わりにいたします。
○議長(鈴木深太郎議員) 柳瀬勝彦議員の質問に対する答弁を求めます。
横田隆宏福祉部長。
〔横田隆宏福祉部長 登壇〕
◎福祉部長(横田隆宏) 柳瀬議員のご質問に順次お答えいたします。
1、ひきこもり支援についての1、ひきこもりの実態調査についてのア、現状の年代別人数についてとイ、ひきこもり年数については関連がございますので、一括してお答えいたします。
令和4年に内閣府が実施したひきこもりの実態調査では、15歳から39歳のひきこもり当事者は全国で約61万人、40歳から64歳では約85万人の計約146万人と推計しております。本市では、ふくし総合相談室窓口や障がい福祉相談支援センターであらゆる年代のひきこもり状態のかたの相談を受けております。
令和5年度の相談件数は、ふくし総合相談室窓口において年間延べ22件、障がい福祉相談支援センター2か所において延べ175件となっており、相談はご家族からの経済的な自立に関する内容のほか、障がいの支援に関する相談もございます。
ひきこもり状態のかたの家庭においては、問題が正面化しにくく、経済的な相談に発展するまで実態がつかみづらい現状があり、関係構築から適切なサービス利用につなげるまで数年かけて対応しているケースもございます。
今後も、様々な場面を通じてひきこもり状態のかたの相談に丁寧に対応し、社会とのつながりが少しでも持てるよう支援してまいります。
次に、2、ひきこもりの方々の居場所づくりについてのア、市施設の有効活用についてにお答えいたします。
本市において、ひきこもりの状態のかたの居場所機能の一つとして、「子どもの学習・生活支援事業」があります。生活保護受給世帯、生活困窮世帯のこどもを対象とし、市内施設に教室を開設し、学習支援を実施するものですが、不登校などで学校に通えないかたも参加しており、事業を通じて指導員や他の利用者との交流を深めております。当該事業では、生活習慣や育成環境の改善に関する助言等も行っており、教室に通うこどもたちの居場所としての機能も期待できるものとなっております。
また、障がい者地域活動支援センターは月曜日から土曜日まで開所しており、登録をすれば自由に利用ができます。他の利用者や職員との交流のほか、一人で過ごすことも可能であることから、社会とつながるきっかけづくりの場として活用されております。
今後も、引き続きひきこもり支援としての居場所づくりについて、議員ご提案の公共施設の活用も含め、調査研究してまいります。
次に、3、ひきこもり啓発講座についてにお答えいたします。
地域の中でひきこもり状態にある本人やその家族の支援に対して、理解のあるかたを増やすことが重要であると認識しております。ひきこもり啓発講座の開催につきましては、関係部署と連携しながら先進自治体の事例を参考にし、調査研究をしてまいります。
続きまして、3、高齢者の障がい者サポートについての1、障がい者の高齢化が進む中、行政としてのサポートのあり方についてにお答えいたします。
本市においても、介護保険優先の原則を踏まえ、障害福祉サービスを利用するかたが65歳になる前から介護保険サービスの案内を行っております。議員ご指摘のとおり、利用料負担の増額や内容などの違いから、介護保険サービスへの移行が難しいという相談や、不安があるといった意見がございます。障害福祉サービスから介護保険への移行につきましては、国からも機械的な取扱いをしないよう通知されていることから、障がい者の障がい特性や障がいの程度だけではなく、生活状況等を勘案し、必要と判断すれば継続して障害福祉サービスを支給するなど、無理な移行とならないよう対応しているところでございます。
また、ケアプランの作成者の変更につきましても、本人や家族の負担を最小限にすべく、引継ぎ先の担当者との綿密な打ち合わせのほか、同行訪問などを行いながら丁寧な引継ぎを行っております。
昨年度は、介護保険のケアマネジャーに対して、障害福祉サービス制度について理解を深めるための研修会を行いました。サービス間の連携強化にもつながるものと考えますので、今後も継続して行い、障がい者が高齢になっても安心してサービスを利用できるよう努めてまいります。
以上でございます。
○議長(鈴木深太郎議員) 大塚正樹教育長。
〔大塚正樹教育長 登壇〕
◎教育長(大塚正樹) 柳瀬議員のご質問にお答えします。
私からは、2、いじめ対策についての1、いじめ・不登校に対する取組についてお答えいたします。
いじめは、児童・生徒が教育を受ける権利を著しく侵害し、心身の健全な成長や人格の形成に影響を与えるものであり、被害児童・生徒を徹底して守り通すという断固たる決意で対応していくことが重要であると認識しております。また、不登校については児童・生徒の社会的自立に向けて、一人ひとりが抱える課題や家庭の状況等に応じて適切に支援し、学ぶ機会を保障するとともに、安心できる居場所づくりを推進していくことが重要であると捉えております。
市内小・中学校においては、いじめの早期発見・早期対応のために、児童・生徒に対するアンケート調査の実施とともに、今年度からは、いじめ等の諸問題の解決に向けて指導・助言や情報共有等を行うスクールロイヤーを市内に配置していただきました。
また、不登校対策については令和5年度から市内の教育相談室の相談員を2名増員していただき、増加・多様化傾向にある教育相談に対応するとともに、不登校傾向にある児童・生徒に関する情報の共有や支援方針等に関する協議を行う学校訪問を実施しております。
今後も、誰一人取り残さない学びの保障の実現に向け、学校への指導を通し、いじめ・不登校の未然防止・早期発見・早期対応に努めてまいります。
以上でございます。
○議長(鈴木深太郎議員) 日暮義一企画政策部長。
〔日暮義一企画政策部長 登壇〕
◎企画政策部長(日暮義一) 私からは、2、いじめ対策についての2、いじめ対策の教育委員会以外での対応についてお答えいたします。
議員からお話しのありました寝屋川市の監察課は、防災や防犯、人権施策等を所掌する危機管理部門に設置されており、いじめ相談窓口のほか、いじめ問題の調査、学校などへの勧告が行われております。首長部局において、いじめ防止対策を所掌しているその他の自治体として、旭川市がいじめ対応部「いじめ防止対策推進部」を設置し、教育委員会との一体的な組織体制としております。
また、松戸市では人権問題を所掌する課、こちらに「いじめ相談担当室」が設置され、相談が受けられる体制となっております。
現在、本市でもいじめ防止対策推進法に基づく附属機関である「三郷市いじめ問題再調査委員会」については、人権施策を所掌する人権・男女共同参画課に設置しているところでございます。
ただいま議員からは、本市で教育委員会以外にいじめ問題に対応する組織を新たに設置するとした場合の部署のあり方などについてのご質問がありました。他自治体の首長部局への設置事例を見ますと、法務や人権相談等を所掌する組織への設置が多いようでございますが、設置している機能につきましては、勧告までを行う寝屋川市の事例から、相談のみを設置している事例等、国のモデルケース事業として進められているそのほかの自治体においても、その取組は様々でございます。
まずは、本市教育委員会のいじめ対策に係る考え方を尊重し、関係部署の所掌事務、教育委員会との連携、第三者的な視点、配置職員の職種等、様々なことを勘案し、組織体制について引き続き国のモデル事業となっている先進事例を調査研究してまいります。
以上でございます。
○議長(鈴木深太郎議員) 益子敏幸いきいき健康部長。
〔益子敏幸いきいき健康部長 登壇〕
◎いきいき健康部長(益子敏幸) 柳瀬議員の質問にお答えいたします。
2、いじめ対策についての3、いじめ自死遺族の対応についてのア、死別に寄り添うカフェの設置についてでございますが、自殺の多くは防ぐことができる社会的な問題であり、周囲にいるかたが当事者の自殺を示す予兆に気づき、自殺予防につなげていくことが重要であることから、本市では平成31年に策定した「三郷市自殺対策計画」において、「みんなで ささえる こころといのち」をスローガンに掲げ、対策に取り組んでまいりました。
若年層の自殺予防対策においては、ライフステージ別死因によりますと、15歳から24歳は自殺が最多となっていることから、継続して取組むべき課題としており、「SOSの出し方に関する教育の実施」や「悩みを抱えている人に声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげ、寄り添い、見守るゲートキーパーの養成」を最重点取組として位置づけております。
具体的には、市内中学校や高等学校にて、ストレスへの対処方法や周囲に助けを求める重要性の理解を深める講演会などを行うほか、PTA会員を対象にゲートキーパー養成講座を開催し、心の変化に気づき、寄り添い、適切な機関につなぐことを啓発してございます。
このゲートキーパー養成講座につきましては、幅広い年代の自殺予防対策として医療機関や民生委員・児童委員、ケアマネジャーなど多くのかたを対象に開催しているほか、各種相談先を記載したお守り型のリーフレットの配布や関係機関への配置、街頭キャンペーンの実施や市ホームページに相談窓口を掲載するなど、様々な形で周知に努めているところでございます。
議員ご提案の「死別に寄り添うカフェの設置」につきましては、自死による遺族のかたへの心理的な影響は計り知れず、一人で苦しみ、地域・社会から孤立してしまうことで自殺の連鎖につながりかねないことから、遺族を尊重した支援のあり方の一つと認識しておりますので、他自治体や遺族団体等の取組を調査研究してまいります。
以上でございます。
○議長(鈴木深太郎議員) 柳瀬勝彦議員。
◆14番(柳瀬勝彦議員) ご担当いただいた皆様、丁寧なご答弁をありがとうございました。幾つか要望と再質問をさせていただきます。
ひきこもり状態のかたの居場所機能として、こどもの学習・生活支援や生活保護受給世帯や生活困窮世帯のこども、障がい者地域活動支援センターもあり、対応していただいていることに感謝申し上げます。
ひきこもり支援に先進的に取組む自治体として、教育分野と福祉分野の連携をしている滋賀県の事例では、福祉部局と教育部局を結ぶ提携協定を結び、学校内で支援を必要とする児童・生徒に対し、双方の部局の連携の下、早期に適切な支援をすることなどが可能になった事例などもございます。一人ひとり抱えるハードルは様々。ひきこもり、困窮者など属性にとらわれることなく、様々な制度、事業を活用し、一人ひとりの適性や意欲に合わせてオーダーメードの就労支援を実施している大阪府豊中市など、多くの先進事例を調査研究していただき、三郷市のひきこもり実態調査を進め、それぞれの人たちに選択肢を増やし、生きがいを見つける居場所を自ら選べるようにしていただきたいと思います。こちらは要望にとどめます。
いじめの対策、教育委員会での対応について、しつこいようですが、再質問をさせていただきます。
渡邉議員も質問していたことですが、これまでもややもすれば、犯罪行為として取り扱われるべきいじめ事案も、生徒指導の範囲内と捉えて学校で対応し、警察に相談、通報することをためらっているという指摘もされてきました。しかし、児童・生徒の命や安全を守ることを最優先に、今までの考え方を改め、犯罪行為として取り扱われるべきいじめなどは、直ちに警察へ通報、相談、連携の重要性が言われております。
文部科学省の通知文でも、複数の項目にわたって警察への通報や相談、連携の重要性が記されております。今後の本市におけるいじめにおける対応について、どのように向き合い、対応していくのか、教育委員会だけで対応していくのか、再度その方針についてお伺いをいたします。企画政策部長にお伺いいたします。
また、死別に寄り添うカフェの設置については、昨年の6月定例議会で要望を出させていただいたゲートキーパー養成講座を市の職員だけでなく、市民に広めてほしいという要望に応えていただき、PTA会員を対象にゲートキーパー養成講座を開催していただいていることに感謝申し上げます。この養成講座が市民に広がり、自殺防止対策になることを要望いたします。
3として、障がい者の高齢化が進む中、行政としてのサポートのあり方について要望をさせていただきます。
福祉サービスを利用されている以上、65歳になると介護保険サービスの利用が必要になることは避けられないことだと思います。その時になって継続できるのかどうか、また利用継続できない場合は現在利用している障害福祉サービスと同様のサービスが介護保険サービスのどのサービスに当たるか、情報をしっかりとする必要がございます。介護保険のケアマネジャーに対し、障害福祉サービス制度についての理解を深めるための研修を行っているということで、大変安心材料になります。障がいのあるお子様を持つ高齢のご両親に対し、65歳問題についてのお知らせや啓発活動を市民へしっかりと行っていただきたいと思います。こちらも要望になります。
最後に、障がいのあるなしに関わらず、年齢・性別・国籍に関係なく、社会的擁護が必要なこどもたちや、より多くの人たちが「生活するなら三郷市で」と思っていただけるよう、市民の命と健康を守り、元気に幸せに暮らせる選択肢を増やし、誰一人取り残さないインクルーシブな三郷市にしていきたいと思います。
今回も一般質問の対応をしていただいた関係各所の方々にお礼を申し上げます。今回の一般質問については、各課の方々にご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
以上で2問目の質問と要望を終了いたします。
○議長(鈴木深太郎議員) 柳瀬勝彦議員の2問目に対する答弁を求めます。
日暮義一企画政策部長。
〔日暮義一企画政策部長 登壇〕
◎企画政策部長(日暮義一) 柳瀬議員の再度の質問にお答えいたします。
警察への通報や連携の重要性が示されている中、今後も教育委員会のみで対応していくのかというご質問だったと思います。警察への通報や連携、また民事訴訟や刑事訴訟につきましては、専門的な知識が必要なことから、法律相談や警察への相談が適切と考えておりますが、こうした相談へのご案内はただいま教育委員会がいじめ相談を受ける中でも支援できる部分であると考えております。今後、教育委員会以外で対応していくことにつきましては、現在国のモデル事業で実証されている様々な事業があり、その検証におけるメリットやデメリットをしっかり見極める必要もございますので、引き続き情報収集に努め、適切な体制について調査研究してまいります。
以上でございます。
○議長(鈴木深太郎議員) 以上で柳瀬勝彦議員の質問を終わります。
-----------------------------------